副業としてエンジニアをこれから始めようと思う方の中には、
仕事ってどうやって取りに行ったらいいの…
こういった悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
フリーランスエンジニアとは、自己責任で仕事を受注している個人事業主のエンジニアのことを指します。
会社が仕事を振ってくれるサラリーマン時代とは違い、仕事を受注するためには、自ら動く必要があります。
そして仕事を得る為には、エンジニアとしての技術だけでなく自己ブランディングや提案書の作成など、さまざまなスキルが必要です。
そこで本記事では、フリーランスエンジニアが仕事を受注するために必要なスキルについて解説していきます。
【フリーランスエンジニアに有用なスキルは何か】
フリーランスエンジニアにとって、自身が得意とするスキルを明確にしておくことは非常に重要です。
自分が何が得意で、どのような分野に精通しているのかを明確にすることで、クライアントからの信頼も得やすくなるでしょう。
フリーランスのエンジニアとして市場で需要の高いスキルは多岐にわたります。以下にいくつかの重要なスキルを体系的に説明します。
プログラミング言語の熟達
エンジニアとしての基礎となるのはプログラミング言語の熟達です。
需要の高い言語としては、
- Python
- Java
- JavaScript
- C++
- Ruby
などがあります。
これらの言語を基礎として、ウェブ開発、モバイルアプリ開発、データ分析、機械学習などのプロジェクトに取り組むことができます。
ウェブ開発
ウェブ開発は需要の高い分野です
フロントエンド開発では、HTML、CSS、JavaScriptを使ったユーザーインターフェースの作成やレスポンシブデザインの実装が求められます。
一方バックエンド開発では、サーバーサイドの技術やデータベースの管理、APIの構築などが重要です。
フレームワークとしては、React、Angular、Vue.js、Node.js、Django、Ruby on Railsなどが広く使われています。
モバイルアプリ開発
スマートフォンの普及に伴い、モバイルアプリ開発の需要も高まっています。
一般的にiOSアプリ開発では、SwiftやObjective-Cの知識が求められ、Androidアプリ開発では、JavaやKotlinの知識が必要となります。
さらに、React NativeやFlutterなどのクロスプラットフォームフレームワークを使うことができれば、複数のプラットフォームに対応したアプリを開発することもでき、市場の需要が見込めるでしょう。
データサイエンスと機械学習
データの解析や機械学習のスキルもフリーランスのエンジニアにとって需要の高いスキルです。
Pythonのライブラリである、
- NumPy
- Pandas
- Scikit-learn
- TensorFlow
などを使って、データの前処理、モデルの構築、予測分析を行います。
ビッグデータ処理のスキルや機械学習アルゴリズムの理解も重要になってくるでしょう。
クラウド技術
クラウドコンピューティングは現代のエンジニアリングにおいて欠かせない要素です。
よく使われるものの例を挙げると、
- Amazon Web Services (AWS)
- Microsoft Azure
- Google Cloud Platform (GCP)
これらの知識が求められることが多いです。
これらを駆使することでクラウド上でのアプリケーションのデプロイ、スケーリング、セキュリティの管理などを行うことができます。
セキュリティ
デジタルセキュリティの重要性が高まる中、セキュリティエンジニアの需要も増えています。
- セキュリティの脆弱性の診断
- セキュアなコーディングの実践
- ネットワークセキュリティの強化
これらのセキュリティに関連するスキルは、言語の習得と同じくらい身につけることが重要なスキルです。
ここまで紹介してきたスキルは需要の高いスキルの一部ですが、エンジニアリングの分野は日々進化しており、新しい技術やトレンドが生まれています。
その為、仕事を始めた後にも常に自己学習とスキルのアップデートを継続することが重要です。
また、プロジェクトの要件や業界の需要に応じてスキルセットを調整することも求められます。
【具体的なプログラミング業務の例】
現在のクラウドソーシング市場で需要のあるプログラミング業務は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
- Webアプリケーションの開発
- スマートフォンアプリケーションの開発
- ゲーム開発
- データ分析や人工知能関連のプロジェクト
- セキュリティ関連のプロジェクト
- システム開発やインフラ構築などのインフラ関連プロジェクト
自分が持っている知識、経験、スキルがどんな分野の業務に役立つのかをきちんと整理し、対応可能な業務についてリストアップしておくことが重要です。
【 仕事を受注するための準備】
自分のスキルセットを整理したら、次は実際に仕事の受注に向けたアプローチの段階です。
フリーランスエンジニアがプロジェクトの受注に向けて取り組むべきアプローチの手順を以下に示します。
1.目標の設定
最初に、自分が受注したいプロジェクトの内容やスキル、単価などを明確に設定します。
とは言っても最初は市場の相場観やどんな業務が広く募集されているかもわからないと思いますので、クラウドソーシングサイトなどの実際の案件を参考にするのがおすすめ。
実際の案件と自分のスキルや経験を照らし合わせて、現実的な目標を設定することが重要です。
自分の強みや弱みを自己分析し、自分が提供できるサービスや価値を明確にすることで、顧客にアピールするための差別化ポイントを探ることができます。
2.ポートフォリオの作成
ポートフォリオとは、実際に手がけたプロジェクトの成果物をまとめたもので、自身のスキルや実績を示すための重要なツールです。
ポートフォリオはいわばフリーランスエンジニアにとって名刺代わりになるものであり、クライアントに自身の実績をアピールすることができる優秀なツールです。
ポートフォリオの具体例
フリーエンジニアのポートフォリオとしては、具体的に以下のようなものが一般的です。
- 自分が開発したアプリケーションやWebサイトなどのデモページ
- 開発したアプリケーションやWebサイトのコードの一部の公開
- 開発したアプリケーションやWebサイトのスクリーンショット、動画、説明文の掲載
- 開発したアプリケーションやWebサイトのユーザーからの評価や評判の紹介
- 自分のスキルや経験の説明
ポートフォリオの公開方法
ポートフォリオを公開する場合には、以下のような方法があります。
- 自分のウェブサイトやブログに掲載する。
- GitHubなどのオープンソースプラットフォームにプロジェクトを公開する。
- Wantedly、Green、DODAなどの求人・転職情報サイトにプロフィールやポートフォリオを掲載する。
- QiitaやZennなどの技術的な情報共有サイトに技術的な記事を公開する。
- connpassやDoorkeeperなどのイベント情報共有サイトに自分が参加したイベントの報告や発表資料を公開する。
これらの方法を使って自分のポートフォリオをネットに公開することで、仕事の受注や転職活動に役立てることができます。
4.仕事獲得に向けた具体的なアプローチ
自分のスキルセットを確認し、ポートフォリオの作成まで終えたらいよいよ「営業活動」の段階です。
営業とは言っても、フリーランスエンジニアという仕事柄、歩き回って企業訪問というケースを採ることはあまりなく、ほとんどがオンライン上での仕事獲得になります。
ここでは代表的な方法を2つ紹介します。
SNSの利用
どのSNSであっても、フリーランスエンジニア界隈にはたくさんの「同業者」がいます。
そしてその界隈の中では、情報交換だけでなく仕事の受発注も頻繁に行われています。
まずはそれらのアカウントへアクションを起こし、界隈に入るように努めるのが仕事を得るには一番手っ取り早いでしょう。
専用アカウントの作成
SNSについては、TwitterやInstagramなどメジャーなSNSには基本的に全てアカウントは作りましょう。
既に自分が普段使っているアカウントがあったとしても、仕事専用のアカウントを新たに取り直すのをおすすめします。
あなたのアカウントを第三者が見た時に「エンジニア界隈の人間」だと、一目見てわかるようにしておくことが重要です。
作成後の運用方法に正解はありませんが、最低限SNSのプロフィール欄にはポートフォリオへのリンクを記載し、日々の投稿もエンジニアやプログラミングに関することを主にするように努めましょう。
SNS上で求人情報を探す
アクションを起こせって言ったって何からしたらいいの…
あまり難しく考えすぎない方がいいよ
「界隈」に入るのは何も難しいことはありません。
フォロー、いいね、リツイートでもなんでもいいですが、まずは「自分が界隈の新人であり、仕事を探している」ことをアピールしましょう。
あなたのアカウントがエンジニア界隈ときちんと親和性があるアカウントであれば、界隈の何人かはあなたを見つけリアクションしてくれるはずです。
例えば
- あなたと同じ新人副業エンジニア
- 同じ言語や知識を持つエンジニア
- あなたと年齢やキャリアが近いエンジニア
これらの人を頼りに少しずつ輪を広げていきましょう。
界隈に入ることができたら、後はフリーランスエンジニア向けの求人情報を探します。
また、自分からも「フリーランスエンジニアとして仕事を探しています」という旨を発信し、仕事を募集することもできます。
SNS上で問い合わせをする
求人情報を見つけたら、SNS上でDMやリプライを送り問い合わせをします。
その際まずは自己紹介をし、自分がどのような仕事ができるか、これまでの経験やスキルをアピールします。
そして、求人情報について詳しく聞き、自分がその仕事に適任かどうかを確認します。
以上が、SNSを使った仕事の受注の手順になります。
SNSは、自分のスキルをアピールするための優れたツールであり、それと同時に仕事を探すためのプラットフォームとしても利用されています。
クラウドソーシングの利用
次に、クラウドソーシングを活用してフリーランスエンジニアが顧客へアプローチする方法について説明します。
先に結論を言ってしまうと、応募する場所が違うだけで、基本的にSNSを利用する場合とアプローチの仕方は同じです。
ただ、SNSはコミュニケーションをとることが主目的であることに比べ、クラウドソーシングは仕事の受発注がメインですので、仕事の受発注までのやり取りが少なくて済む傾向にあります。
こっちの方が向いている気がする
ただ、クラウドソーシングサイト上の「美味しい案件」は早い者勝ちだったりするから、両方使うのがいいと思うよ
クラウドソーシングサイトへ登録
まずは最初に、クラウドソーシングサイトにあなたのアカウント登録をします。
主要なクラウドソーシングサイトには、
- ランサーズ
- クラウドワークス
- スタディサプリエンジニア
- フリーランスマーケット
これらのサイトがあります。
登録には、名前、メールアドレス、パスワード、スキル、ポートフォリオなどの情報を入力する必要があります。
プロフィール作成
アカウントを登録し終えたら、次にプロフィールページを作成し、自分のスキルや経歴、ポートフォリオなどを広くサイト内の雇用主に紹介します。
プロフィールページは、自己紹介やスキル、過去の実績、クライアントからの評価などについて記載し、クライアントの目に留まるように作成することが重要です。
また、ポートフォリオを別のサイトなどに公開している場合はそのリンクも忘れずに貼っておきましょう。
仕事検索、応募
クラウドソーシングサイトに公開されている仕事の中から、自分のスキルや興味に合った仕事を検索して、興味のある仕事を見つけます。
常に自分の望む仕事が募集されているとは限りませんが、タイミングよく募集があった場合は募集要項をよく読み返し、なるべく早く応募しましょう。
仕事のマッチングはタイミングもとても重要です。
また応募者が多数の場合は、ポートフォリオで審査されたり、仮業務の提出を求められることもあります。
仕事を受注した後のアプローチ
ここからは、クライアントの審査を無事に通過し、業務を受注できた後のことについてお話します。
仕事を受注した後に気を付けるべきことは、以下の通りです。
- 顧客との関係性の構築
- 契約書の作成
- 進捗管理の方法
顧客との関係性の高陸
まず、顧客との関係性の構築についてです。
仕事は、受注できたらそれで終わりではありません。
フリーランスとして活動を続けていくのであれば、次の仕事につなげる為にも顧客との信頼関係を構築することがとても大切です。
また、仕事の精度を上げる為にもコミュニケーションは積極的に取り、顧客の要望やニーズを正確に把握することが重要です。
報告・連絡・相談は会社員としても重要ですが、フリーランスにおいてはさらに重要度が増すものです。
顧客との信頼関係を維持する為に常に注意しておきましょう。
契約書の必要性
次に、契約書の作成についてです。
基本的に契約は口頭でも成立しますが、後からトラブルにならないように契約書を作成した方がよい場合もあります。
仕事の範囲や価格、納期などの細かい内容を明確化するための重要な文書と言えるでしょう。
基本的にはクライアントから条件を提示されますので、クライアント主導の契約書となるケースが多いですが、自分に極端に不利な条件がないか、契約書はきちんと読む癖はつけておきましょう。
進捗管理
最後に、進捗管理の方法についてです。
例えば数日で終わるようなプロジェクトであれば完了報告だけというケースもあるかもしれませんが、中長期にわたるプロジェクトを任された場合、進捗の管理には注意が必要です。
進捗管理には、進捗状況を共有するツールやスケジュール管理ツールを使用することが有効でしょう。
組織に属していれば自然と進捗の管理を意識することになりますが、フリーランスだと案外ここがおろそかになるものです。
また、プロジェクトの進捗状況を常に把握し、納期や品質に問題が生じた場合には、適切なコミュニケーションを取ることがとても重要です。
以上のように、仕事を受注した後には、顧客との関係性の構築、契約書の作成、進捗管理の方法が必要になります。
これらの取り組みにより、仕事を円滑に進めることができ、顧客満足度の向上につながることが期待できます。
よくある質問
この記事に関してよくある質問をいくつか紹介します
まとめ
ここまでフリーランスエンジニアとして事業を始める際に必要なスキルと心構えについてお話してきました。
この記事を読んでいる方は基本的にエンジニアを目指している方だと思いますので、プログラミングスキルについては詳しいと思います。
ただ、フリーランスとは言わば会社の社長のようなものですので、何よりも重要視されるのはコミュニケーション能力だったりします。
客観的に見て、エンジニアの方が大得意という分野ではない傾向にあると思いますが、その分周りとの差はつけやすいですし、チャンスはあるという見方もできます。