この記事でわかること
- 年末調整の対象となる人は?
- 年末調整に必要な書類
- 各種申告書の書き方
副業をこれから始めようと思う方の中には、
年末調整の正しいやり方について知りたい…
こういった悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
既に会社員として働いている方の中には「年末調整はよくわからないからとりあえず名前と住所だけ書いて会社に出してるなあ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、年末調整で損をしない為の正しい年末調整のやり方について解説していきます。
もちろんこれから始めて年末調整を迎える新入社員の方にも有益な情報になっていると自負しています。
是非この記事を参考に、正しい年末調整について一緒に学習していきましょう!
年末調整の対象者
年末調整の対象者は、一般的には12月末まで勤務していた給与所得者で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した人です。
11月まで働いてて給与の支払いが12月の場合は?
その場合は年末まで勤務していなくても対象になるよ
ただし、年末まで勤務していても給与年収が2,000万円を超える場合は年末調整が行えませんので、確定申告を行う必要があります。
また、ダブルワークの人は年末調整を主たる勤務先で受けることはできますが(控除申告書等を提出した場合)、結局のところ確定申告が必要になるので注意してください。
2023年版 提出する書類と入手方法
年末調整を行うためには、いくつかの書類が必要です。代表的なものを紹介します。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書兼 所得金額調整控除申告書
これらの書類は、通常は勤務先の人事部や給与担当から配布されますが、自分で用意してと言われた場合などは、税務署などから取得しておきましょう。
まあ自分でもらい行くってあまり聞いたことはないけど…
税務署に行けば置いてあるってことね
扶養控除等(異動)申告書の書き方
年末調整を受ける場合にはどんな場合でも必須の書式が「扶養控除等(異動)申告書」です。
この章では扶養控除申告書の概要と書き方について解説します。
一般的に、令和5年分の年末調整を受ける際には令和6年分の扶養控除申告書を書くように指示があるはずです。
これは、令和6年1月以降支払う給料から「天引きする所得税」の計算に使用される為です。
年末調整に使用されるのは令和4年の年末に書いた令和5年分の扶養控除申告書となります。(中途入社の場合を除く)
中途入社の場合は去年の年末にいないから令和5年分の申告書がないよね?どうなるの?
中途入社の場合は、最初の給与を支給するまでに申告書を書いて会社に提出してるはずだよ。じゃないと源泉税の計算ができないからね
ここからの書き方の解説は国税庁の記載の手引きを参考に行っていきます。
記載項目① 基本情報
基本情報はあなた自身の情報とあなたが勤めている会社の情報を記載します。
一般的な内容だけなので問題はないと思いますが、迷うポイントがあるとすれば「あなたの会社の所轄税務署がどこか」という点でしょうか。
もし会社側から配布された申告書に会社の基本情報の記載がない場合は国税庁のHPから検索して記載しましょう。
記載項目② 源泉控除対象配偶者(配偶者控除、配偶者特別控除)
配偶者の情報を記載する欄です。
ここで言う配偶者には内縁関係の方は含みません、また生計を一にしていない方と所得が高すぎる方も含みません。
所得が高すぎるって具体的にどれくらい?
所得の見積額が95万円以下給与のみの場合は給与年収が150万円以)の場合に配偶者控除が受けられるよ
また95万円を超えていても133万円以下の所得額である場合には、配偶者控除ではなく配偶者特別控除を受けることができます。
ただし配偶者特別控除を受ける場合には「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書兼 所得金額調整控除申告書」の提出も必要です。
記載項目③ 控除対象扶養親族(16歳以上)(扶養控除)
扶養している親族が16歳以上の場合、この欄に記載します。
扶養している親族とは、ここでは次の4つの全ての条件を満たしている人のことを言います。
- 配偶者以外の親族(※)または都道府県知事から養育を委託された児童や市町村長から養護を委託された老人であること
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること
- 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと
また扶養対象の親族の内、以下のような特定の年齢の人は通常の扶養控除よりも多くの控除を受けることができます。
- 特定扶養親族:19歳以上23未満の人
- 老人扶養親族:70歳以上の人
- 同居老親等:同居している老人扶養親族
障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生
特定の状況に該当する人々が受けられる控除についてまとめました。
- 障害者:本人、配偶者、扶養親族に障害者がいる場合に受けられる控除
- ひとり親:現在婚姻しておらず、所得48万円以下の子がいる人が受けられる控除
- 寡婦:夫と離婚もしくは死別した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下の人が受けられる控除。ひとり親に該当しない場合のみ。
- 勤労学生:大学生、高校生等で年間75万円(内、給与以外は10万円以下)の所得がある人が受けられる控除
なるべくわかりやすいように簡潔に書いたけど、該当する方は是非リンク先で正確な情報も参照してね
他の所得者が控除を受ける扶養親族等
通常は書かない項目です。該当しない場合は空欄でOKです。
住民税に関する事項
16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象外ですが、住民税の計算に利用するため、記入が必要です。
特に新たに子どもが生まれた場合、記入することを忘れないようにしましょう。
保険料控除申告書
保険料控除申告書には、年末調整に関わる保険料についての情報を記入します。
扶養控除等申告書と同様に書き方の解説は国税庁の記載の手引きを参考に行っていきます。
少し複雑に感じるかもしれませんが、控除額の計算式は申告書上に記載がありますので、後は保険会社から送られてくる「保険料控除証明書」を参考に情報を埋めていくだけです。
記載が必要な主な情報
- 保険会社名
- 保険種類
- 保険期間
- 契約者名
- 保険区分
- 支払保険料額
どんな保険が対象になるの?
一応気を付けなきゃいけないポイントをまとめておいたよ
- 生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済掛金等控除の申告が必要です。
- 生命保険は控除額の計算が必要ですが、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済掛金は支払った額がそのまま控除されます。
- 社会保険料控除は自己負担分に限られます。給与から天引きされている分は源泉徴収票から転記しましょう。
- 社会保険料控除のなかでも、国民健康保険料や介護保険料については証明書は不要ですが、国民年金や国民年金基金の掛金と小規模企業共済等掛金については証明書の添付が必要です。
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書兼 所得金額調整控除申告書
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書兼 所得金額調整控除申告書についてもこれまでと同様に国税庁の記載の手引きを元に説明します。
これらの書類は主に配偶者控除、基礎控除についての情報を記載する書式です。
基礎控除申告書
年間の所得金額によって基礎控除額が増減します。(高額になるほど控除額が減少)
給与所得と給与所得以外の所得について収入金額と所得金額を記載しましょう。
控除額の計算式は申告書上に記載があります。
配偶者控除等申告書
ここでは、配偶者の情報を記入します。配偶者特別控除を受けない場合はスキップします。
- 配偶者の基本情報: 配偶者の名前、生年月日、個人番号等を記入します。
- 配偶者の合計所得額の見積額:配偶者の年間の給与所得と給与所得以外の所得について収入金額と所得金額を記載しましょう。
- 控除額の計算: ❷の金額を元に控除額を計算します。
所得金額調整控除に関する項目
所得金額調整控除は、本人の給与所得の金額から給与の収入金額(最大1,000万円) から850万円を差し引いた金額の10%相当額(上限15万円)を給与所得額から控除できる制度です。
対象となるのは本人や配偶者、扶養親族が特別障害者に該当する場合や、扶養親族が23歳未満である場合です。
ただし、給与収入が850万円以下の場合は対象外ですので、「所得金額調整控除申告書」の記入は不要です。
以上で、扶養控除等申告書、保険料控除申告書、基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書兼 所得金額調整控除申告書の書き方の解説は終了です。
リンク先の国税庁の手引きも参照していただいて、正確な情報記載を心がけましょう。
一つ一つ見ていくとそこまで難しくないね
計算が必要な部分は全て申告書上に計算方法がちゃんと書いてあるしね
年末調整についてよくある質問
この記事に関してよくある質問をいくつか紹介します
以上が、年末調整に関する詳細な情報と手続きの概要です。適切な手続きを行って、税金の計算や納付を適切に行いましょう。