この記事の信頼性
10年以上いろいろなビジネスの財務コンサルタントをしてきた経験から、様々なビジネスの「仕組み」について解説します
- せどりってどんなビジネスかわからない
- せどりを始めたいが、どこから始めたらいいかわからない
- せどりの商品をどこから仕入れたらいいかわからない
この記事では上記についての悩みに答えるべく以下の項目について一つずつ解説していきます。
- せどりの概要
- せどりの開業準備
- せどりの商品の探し方
この記事の中にはあなたが見落としている重要なポイントがあるかも。是非最後まで読んでみてね
せどりとは
せどり(背取り・競取り)とは、簡単に言えば商品を仕入れて売る事業、言い換えれば買った時よりも高く売って差額を稼ぐシンプルな商売です。
元々は「背取り」として古本屋さんで安く売っている本を購入し、別の古本屋や顧客に高く売って差額を儲けている人の事を指す言葉でした。
今では本に限らず家電やおもちゃ、ゲーム、アパレルなど様々な商品でせどりが行われています。
せどりと転売の違い
転売と聞くとアーティストのライブチケットの高額転売で逮捕されたり、限定商品を買い占めてメルカリで転売してニュースになっていたり…と悪い印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
はっきり言えばせどりと転売は業務内容はほぼ同じですが、対象とする商品が全く違います。せどりは”掘り出し物”を販売し、転売は”入手困難な商品”を販売します。
入手困難な商品とは、例えばアーティストのチケットや限定商品など数量が限定されているもの、コロナウイルスが流行っている時のマスクなどです。
せどりと転売の違い
コロナが流行していない通常時に、閉店セールをしているドラッグストアからマスクを安く仕入れて、少し利益を乗せて一般的な価格でAmazonで販売する。
これがせどりです。
何ら問題はなさそうですよね。これは誰もが簡単に手に入れられる商品が格安で売っている、言わば”掘り出し物”です。
この時、1万円でAmazonに商品登録をしても、普通にお店やネットで数百円のマスクが手に入るのでまず売れることはないでしょう。
消費者もわざわざそんなに高価な商品を選んで購入する必要が無いので問題にはなりません。
しかし、コロナが流行してマスクがどこのお店からも姿を消したらどうでしょう。
それでも何としてもマスクが欲しいとなれば「かなり高価でもそれしか手に入らないから」と購入してしまう人が出てくるでしょう。
この入手困難であることを利用して、価格を不当に吊り上げるという行為が所謂「転売」とみなされ問題視されています。
せどりについて知ろう
せどりには「電脳せどり」と「店舗せどり」の2種類があり、2つの主な違いは仕入先です。
電脳せどりはオンラインショップで、店舗せどりはその名の通り実店舗で仕入を行います。
どこで仕入を行っても、販売する際にはせどりを行うほとんどの人がAmazonやヤフーオークションを利用しています。
これは日本最大手のショッピングサイトとオークションサイトであり、ユーザー数が圧倒的に多いからです。
ではせどりのメリットとデメリットと、この2種類のせどりについて詳しく見ていきましょう。
せどりのメリット
- 難しいスキルがいらない
- 初期費用が少ない
- リスクが少ない
- ポイントが貯まる
難しいスキルがいらない
副業にせどりを選ぶ圧倒的なメリットは、特別なスキルが必要無いのにたくさん稼げる可能性があるという点でしょう。
”商品を買った金額よりも高く売る”という商売の基本中の基本であるせどりは、誰にでも簡単に始める事が出来ます。
ただし、安定して稼げるようになるには、やりながら「この商品なら売れる(儲かる)」という目利きの力を付けていく必要があります。
初期費用が少ない
取扱う商品はどんな物でも良いので、最初の仕入れは500円~1,000円程度で始める事も可能です。
せどりを行うために必要な梱包資材やパソコンなどを持っていない場合、その準備資金は別途必要となります。
リスクが少ない
在庫を抱えるので、もちろんリスクはゼロではありません。
とは言え”いきなり高額商品に手を出す”、”慣れていないのに大量に仕入れる”なんてことをしなければ、万が一その商品が買った値段以上の価格で売れなくても損失は大した額にはなりません。
せいぜい数百円~数千円程度でしょう。
簡単に数万~数十万円の損失を出す可能性のある投資などと比べると、リスクはかなり少ないと言えるでしょう。
ポイントが貯まる
せどりを行う大半の人がクレジットカードを利用して仕入を行っています。
慣れて来たら普段の自分の買い物の何倍もカードの利用額が増えるので、当然ポイントも貯まります。
中には、楽天市場のポイントアップキャンペーンなど大量につくポイントを狙った「ポイントせどり」を行う人もいます。
カードを利用するのはポイント分も儲かるのでオススメですが、翌月や翌々月の支払いが多額になるので資金繰りに注意が必要です。
せどりのデメリット
- 労働収入である
- 梱包や発送に手間がかかる
- 在庫管理が必要
労働収入である
不動産投資であれば、物件を購入してしまえばあとは管理会社に任せて基本的には放っておくだけで収入が入ってきます。
アフィリエイトであれば一度売れるサイトを作ってしまえば、放っておいても収入が入ってきます。
せどりはこのような不労所得とは違い、毎回仕入れ・検品・販売・出荷を行うことで収入となります。
せどり自体は何もしていない間に利益を生み出すような仕組みを作るような副業ではありません。
しかし、一度ノウハウを身に着けてしまえばそのノウハウを情報商材として販売し、不労所得化することは可能になります。
梱包や発送に手間がかかる
労働所得であることと少し重なりますが、慣れるまでは梱包などの作業に少し戸惑います。
後で詳しく説明しますが、AmazonのFBAというサービスを利用すると梱包や発送作業はかなり楽になります。
普通であれば注文が入ると急いでその商品の発送作業を行う必要があります。
しかし、このサービスを使えば注文が入るとAmazonから購入者へ商品を発送してくれるので、空き時間を利用して一気にAmazonに在庫を発送するだけで良くなります。
在庫管理が必要
せどりを始めると在庫管理や商品の保管場所が必要になります。
FBAを利用するとAmazon倉庫に商品を送ってしまえるので保管場所も必要なくなり、在庫管理画面でどんな在庫が残っているかの確認は行えるようになります。
とは言え、儲けるためには”いくらで仕入れて、いくらで売って、いくら利益が出たのか?”をきちんと把握していく必要があります。
面倒でもきちんと管理しておくことが、成功につながるでしょう。
電脳せどりとは
電脳せどりはスマホやパソコンを使ってAmazon、楽天市場、ヤフーオークション、メルカリなどのオンラインショップで仕入を行います。
●メリット
・近くにお店がない場合でも簡単に始められる
・天気の悪い日でも関係なし
・車が無くても重たい商品の仕入が可能
・短時間でたくさんの商品を見ることができる
・お店の開店時間を気にする必要がなく夜中でも仕入が行えるので副業向き
●デメリット
・手元に届くまで実際の商品状態がわからない
・仕入れた商品が届くまでに時間を要する
・高い送料がかかる場合も
・価格差が取りにくく、薄利多売になりがち
・大量仕入れを行うと購入禁止になる
店舗せどりとは
店舗せどりはその名の通り、実店舗であるブックオフや家電量販店、トイザらスなどのおもちゃ屋さんなどで仕入を行います。
●メリット
・価格差が取りやすい
・購入前に実際の商品状態がわかる
・大量仕入れが可能で、送料がかからない
・仕入から発送までのロスタイムがない
●デメリット
・近くにお店が無い場合、時間も交通費もかかる
・重たい商品や大量に仕入れを行った後の運搬には車が必要
・営業時間内にしか仕入ができない
価格差が取りやすいので初心者には店舗せどりの方が簡単かもしれないね
]少し面倒だけど、慣れるまでは店舗せどりの方が儲かりそうだね
小さなお店で頻繁に仕入を行っていると、セールを事前に教えてもらえたり、処分品を格安で購入させてもらえる事もあるみたいだよ
それはいいね!積極的に店主さんと仲良くならなきゃ!
せどりのはじめ方
- 必要な物を準備する
- 仕入れる場所を探す
- 仕入
- 出品・販売
- 税金を申告する
必要な物の準備や仕入先の選定は最初だけなので、慣れたら仕入→出品を繰り返すだけだよ
必要な物を準備する
以下の物はせどりを始めるにあたり最低限必要な物です。持っていない場合には初めに準備をしておきましょう。
開業資金
せどりを行うには売るための商品が無いといけないので、まずは商品を購入するためにお金が必要になります。
現金でもクレジットカードでもペイペイなどのQRコード決済でも構いません。
しかし、「今手元にお金が無いから、せどりで売って出来たお金で支払おう」という理由でクレジットカードなどの後払い決済を行うことはやめましょう。
商品がすぐに売れずカードの決済日までにお金が出来なかった場合、あなたの信用情報に傷がつく事になります。
スマホ、パソコン
仕入、価格差・売れる商品の調査、出品管理、とあらゆるところでネット環境が必要になります。
高いものでなくて構わないので、どちらも準備しておきましょう。
家以外の場所で作業する可能性がある場合、少し割高でも軽量のパソコンを購入しておくことをオススメします。
後から「やっぱり軽いパソコンが欲しい…」となることが予想されます。
プリンター
販売にAmazonを利用する場合、商品に貼るラベルシールが必要となるので安価で良いのでプリンターを用意する必要があります。
商品ラベルや発送ラベルの印刷に必要になります。
中古で白黒印刷のみできれば十分です。
梱包用品
商品を発送する訳ですから、当然送るための梱包用品も必要になります。
とは言っても専門店ではないので、専用の段ボールなどを作る必要はありません。通常の荷物を送るときの梱包用品で最初は十分です。
準備が必要なものの例
- 段ボール
- ダンボール紙、厚紙
- プチプチ、エアクッション
- OPP透明袋、OPPクリスタルパック
- 紙封筒
- 梱包用テープ(セロテープ、布ガムテープ、OPPテープ)
- ラベル剥がし
- リサーチツール
その他、あると便利なもの
- プライスター
- 車
- クリーニング用品
- 古新聞
扱う商品によっては、他に酒類小売業免許や医薬品店舗販売業許可、化粧品製造販売業許可といった資格(許可)が必要になることもあります。
お酒や医薬品、化粧品を取り扱うためには厳しい審査があり、それをクリアした人以外が売買を行えば犯罪になってしまいます。そのため、せどりを行う際にお酒・医薬品・化粧品は取り扱わないのが一番です。誤って販売してしまわないように注意しましょう。
仕入れる場所を探す
特に店舗せどりの場合、Googleマップなどで仕入れる可能性のあるお店の場所を全てチェックしておきましょう。
どんな商品を狙うのか、どの順番に回ると効率が良いかをきちんと事前にチェックをしておくと作業がはかどります。
一方電脳せどりの場合、選択肢は無限にあります。
Amazonで仕入れて楽天市場で売る、というのも全くルール違反ではありません。
また、最近ではアリババなど中国のショッピングサイトで買い物をし、買った商品を国内で売るというビジネスモデルが流行しています。
仕入
せどりは端的に言えば、仕入れ値より高く売れる商品を仕入れて売る業態です。ですので、そもそも商品の需要が無くて売れない、仕入れ値が高くて利益が出ないという状態では商売になりません。
究極的に言えば、「仕入れ値と売価の差が大きくて売れる商品だけ仕入れる」が最強の販売方法です。つまり、仕入れる前には必ず「商品のリサーチ」が必要になってきます。
ぼくが好きな商品をそのまま売ろうと思ってた
ではどのように利益商品をリサーチしたら良いかというお話ですが、具体的には2種類の視点から分析します。
- 販売数
- 競合数
販売数
商品の需要を見極めるには、実際の市場を見るのが一番早く確実です。
モール型ショッピングサイト内には売れ筋ランキングが公表されていますし、それ以外にも例えばAmazonであれば「Keepa」などの外部ツールを利用すれば期間別の商品の販売数分析などが可能です。
競合数
自分が取り扱いたい商品をどれくらいの競合ショップが出品しているか、というリサーチも重要です。
当然競合は少ないに越したことはありませんが、競合が少ない=需要がない可能性もありますので、「販売数」と掛け合わせて分析しましょう。
こちらも同じくAmazon内であれば「Keepa」というツールを使えば把握できますが、競合数は有料版でなければ見ることはできません。
出品・販売
販売する場所はAmazonやメルカリ、ヤフーオークションなど、利用者の多いオンラインショップがオススメです。
特にAmazonには在庫の保管や発送作業を代行してくれるFBAというサービスがあり、とても便利です。
副業として続けていくのであれば販売はAmazonをメインで利用すると良いでしょう。
フルフィルメント by Amazon (FBA)
“自宅が狭く商品の保管場所がない”や”発送作業が面倒”という方はAmazonのFBAというサービスを利用すると、商品の保管から注文処理、配送、返品に関するカスタマーサービスまで全てAmazonが代行してくれます。
料金は月額4,900円+販売手数料と少し負担はありますが、FBAを利用した商品はAmazonプライム対象商品となりプライムマークが表示されるため、購入者への訴求力が高まります。
FBAの利用を開始したことで85%の利用者が利用前に比べ売上が向上したというデータもあるようです。
販売する商品が限定品やプレミア品の場合には、ヤフーオークションなどのオークションサイトで売ると高値がつきやすいのでオススメです。
せどりに必要な資格
せどりを行うのに必要な代表的な資格として「古物商許可」があります。
古物商とは、中古品などを仕事として売買したり、交換したりする個人・法人のことです。日本で古物商を行うためには古物商許可が必要となります。
許可を得ずに古物取引を行うと無許可営業となり、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる場合も。
さらに罰則を受けてから5年間は古物商許可が取れません。
家にある不用品を業者に買い取ってもらったり、メルカリ・ヤフオクなどで販売する場合には”仕事”として行っているわけではないので問題ありませんが、
せどりを副業として継続的に行っていく場合には許可を取得しておきましょう。
古物商許可の申請はたくさんの書類が必要となり、手続きが意外と面倒です。
何度もやり直す羽目にならないよう、最初から行政書士にお願いするのがオススメです。
また、扱う商品によっては他に酒類小売業免許や医薬品店舗販売業許可、化粧品製造販売業許可といった資格(許可)が必要になることもあります。
資格(許可)を取らずに販売すると当然問題になりますので、せどりを行う際には扱ってはいけない商品について勉強しておきましょう。
せどりについてよくある質問
この記事に関してよくある質問をいくつか紹介します
この記事のまとめ
せどりは比較的お金も知識もあまり必要がなく、誰でも簡単に始められる副業です。
簡単に始められる分ライバルの多い副業でもあります。
利益の出やすいジャンルがあれば、ライバル達も飛びつきすぐに飽和状態になりがちです。
一つのジャンルに固執するのではなく
”今売れ行きの伸びている商品は何なのか?”
”次にどんな商品が売れそうか?”
”みんなが気付いていないが一定の需要のある商品は何か?”
といった事を考え、時代の流れに乗り遅れないよう常にアンテナを張り続けることで成功の可能性は高まるでしょう。
休日を活用するだけでも稼ぐことが可能なので、是非気軽に始めてみてはいかがでしょうか?