この記事の信頼性
10年以上いろいろなビジネスの財務コンサルタントをしてきた経験から、様々なビジネスの「仕組み」について解説します
今現在何かしらの副業をやっている方は、
今以上に収入を増やすにはどうしたらいいんだろう
という悩みを抱えているのではないでしょうか。
しかし多くの方は、なんとなくぼんやりとした状態のまま「とりあえず一生懸命頑張る」という精神論的な方法論を採ろうとしてしまいます。
この記事では、そんな状況を打破するための具体的な方法論についてお話しします。
売上を増やすには、構造を細分化する
売上の構造という視点で考えると、ほぼ全ての業種で次の方程式に当てはまります。
収入=単価×数
こういった式です。
そりゃまあそうじゃないの・・
意外とここをぼんやり考えている人が多いんだよ
この方程式についてもっと分析することが必要なのですが、その為に絶対に必要なことが一つあります。
それが「細分化」です。
考えなければいけないコト、モノが大きければ大きいほど分析は「抽象化」します。
売上を増やす為の戦略を練る為には、「単価」と「数」をもっともっと細分化していく必要があります。
具体的には次のような分け方になります。
商品やサービスの「単価」を細分化して考える
まずは「単価」から考えましょう。
それはつまり、「今の単価が自分の事業にとって適正か」を考えることです。
そして現在の単価が適正かどうかを判断する為には、「基準」に注目しなければいけません。
世の中のほとんどの商品やサービスには基本的に競合がいて、「値段」の高低は相対的に評価されるものだからです。
主な基準となるのは以下の3つです。
- 同業他社の類似商品、サービス
- 商品の原価率
- 自社内の他商品
これらは順番が決まっている訳ではなく、全て複合的に考える必要があります。
同業他社の類似商品、サービス
最も基本的な基準は「類似の商品、サービス」です。
同業他社と比較して自社の商品やサービスは高いのか安いのかを比較します。
高い場合はどんな付加価値をもって高く設定しているか、低い場合は上げる余地があるかを検討しなければいけません。
意味もなく隣の商店より少し安くしておけばいいだろう、となってはいけません。
商品の原価率
原価とは、自社の商品・サービスを生み出すために直接的にかかる費用で、レストランで例えると料理の材料費です。
「原価」を基準に、販売価格と原価の割合は正しいかを考えます。
つまり、商品やサービスの「利益率」が適正かを考える必要があるということです。
正しくなければ、いくら数を売ってもいわゆる「薄利多売」のビジネスモデルになってしまいます。
製造工程や仕入工程から逆算して、最低限必要な売上単価を考えましょう。
自社内の他商品
シンプルに言うと、自社の商品やサービスの中にも人気のものとそうでないものがあるはずです。
そこですべての商品を同じ基準で単価設定する必要はありません。
あくまで商品は単独の利益率ではなく「事業全体を構成するパーツ」として考えましょう。
例えば次のような分類があるでしょう。
- 集客用の利益率が低い商品
- ❶の関連商品で利益率が高い商品
- コアなファン向けの利益率が高い商品
- ❶と❸のセットで利益率が高い商品
❶から❹の商品を上手く組み合わせられれば❶を高い利益率で売れるね
目的はあくまで売り上げを上げることだから、発想は柔軟にしよう
副業の商品やサービスを値上げするには
商品やサービスの単価が低い時には値上げを検討するべきですが、値上げには当然理由が必要です。
例えば次のようなケースでは値上げすることは「適正」と言えるでしょう
- 他店に比べて立地がいいから
- 原価が値上がりしたから
- 商品の価値が高いから
要は、値上げするのであればそれだけの価値がある商品やサービスであるということを証明しなければいけないということです。
最初からその値段ならそういうもんか、と思えるけど値上げしますってなるとなんで?ってなるね
だから本当は最初の値段設定がとても重要なんだよね
商品やサービスの「数」を細分化して考える
単価の次は「数」についても細分化して考えていきましょう。
「数」については大きく次の2つに分けて考えます。
- 客数
- 販売数
客数
客数を考えるときに重要なのは何よりも「集客」です。
事業を始める前なら見込み客、すでに事業を始めているなら現状の客数をさらに伸ばす方法を考えます。
ここでは例として「実店舗の集客」について説明します。
実店舗の集客改善
まずは店舗の立地から、実際に来店を見込める客数を予測します。
ここの説明は具体例があった方がわかりやすいと思いますので、「ホームセンター」を例に挙げて説明します。
集客可能な限界値を計算する方法
- 地図と人口動態調査から近隣の人口を調べる
- 全人口のうち、自社がターゲットとしている年齢層が何パーセントを調べる
- 自社の商品の希少性ならば何キロ先のお客さんまで来店してくれるか仮説を立てる
- 主なアクセス方法が公共交通機関ならば利用者数も調べて仮説を補強する
これで店舗の「商圏」が決まりました。
次に競合調査です。
- 商圏に競合店が何店舗あるかを調べる
- 店舗を実際に視察して、自店舗との差異をリストアップ
- 立地、品揃え、使いやすさなどを加味してそれぞれの店舗で商圏の客数を何%取れるか仮説を立てる
この結果出た数字が店舗の「集客見込み数」です。
足りてないのであれば、どんな原因で集客ができていないかを検討していきます。
反対に、「集客見込み数」をすでに集めているのに商売が成り立たないのであれば、そもそもビジネスモデルに問題があるとも言えます。
仮説を立てるっていうのが難しそう
もちろん現実とピッタリ一致っていうケースは珍しいけど、目安の数字があるのとないのでは違いが大きいよ
販売数
集客の次は、お客さん一人当たりの商品の販売数を考えましょう。
極論を言えば、見込み集客が100人でそれぞれ一つ商品を買ってくれれば成立する事業は、実際の集客が1人でもその1人が100個商品を買ってくれれば同じように成立します。
さっきちょっと話に出たセット販売なんかも使えそうだね
その通り、やり方は無限にあるけどどこを伸ばすのか、伸ばす余地があるのかを考えるには細分化が必要なんだよ
来店してくれたお客さんの購買数を増やす必要があるのか、そもそも平均何個買うのかは扱う商品の種類によって千差万別です。
しかし少なくとも「数」を「客数」と「販売数」の二つに分けるだけでもどこに問題があるかがわかりやすくなります。
副業の増収についてよくある質問
この記事に関してよくある質問をいくつか紹介します
この記事のまとめ
売上は単価×数です。
売上が芳しくない場合はどちらかに問題がありますが、単価と数の二つしか選択肢がない状態は抽象度が高すぎてどこが問題なのかわかりません。
それぞれの要素を細分化して、問題がある箇所を探し当て改善しましょう。
完璧な業態はこの世にありませんので、一度大きな改善をしても常にこの意識をもって取り組む必要があると言えるでしょう。
先が長いな…
停滞は後退であるって昔偉い人が言ってたしね・・