この記事の信頼性
10年以上いろいろなビジネスの財務コンサルタントをしてきた経験から、様々なビジネスの「仕組み」について解説します
WEBコンテンツの定義や、WEBコンテンツ制作が初心者におすすめな副業である理由について解説します。
WEBコンテンツの設計とは、「どんなコンテンツ」を「誰に売るか」を決める事です。それぞれ具体例を交えてわかりやすく解説します。
設計が終わったら次は実際にコンテンツ制作を始める際の基本的な考え方、言い換えれば目的、ターゲット、コンテンツの付加価値についてお話しします。
クラウドソーシングを利用してコンテンツを販売する為の具体的な手順について解説します。
コンテンツ制作の準備が整ったら、「事業」として必要な税金、社会保険などの各種届出について解説します。
この記事を順番に読み進めることで、これらすべてについて1から100まで知ることができ、すぐにWEBコンテンツ制作ビジネスに取り組むことができるように設計しています。
少し長い記事ですが、是非この記事を参考に副業に取り組んでみてくださいね。
知識0の状態から、クラウドソーシングサイトを利用してWEBコンテンツを販売できるようになる!
なんだか難しそう…WEBコンテンツってそもそもどんなもの?
まずはWEBコンテンツの定義と、市場規模についてお話ししていくよ
WEBコンテンツ制作というビジネス
WEBコンテンツ制作とは、その名の通り世の中のウェブサイトに掲載されているコンテンツの制作を代行するビジネスです。
受発注のやり取りから代金の決済まで、基本的に全てWEB上で行われます。
受注側としては、作成期間をある程度自分の自由な時間に調整できるというメリットがあり、反対に発注側としては、プロフェッショナルに依頼するよりも安価に仕事を依頼できるというメリットがあります。
WEBコンテンツとは具体的にどんなものか
まず、WEBコンテンツの定義について確認しておきましょう。
WEBコンテンツという名前通り、WEB上に掲載されているすべてのコンテンツを指す場合や、WEBで学ぶ教材を指す場合など、定義づけは業界や界隈によって様々です。
ただしこの記事においては、WEBコンテンツは広義の意味、つまり「WEB上に掲載される画像、動画、音声、テキストなど全てのコンテンツ」を指す事としています。
なんでもありじゃん。
その通り。そもそもコンテンツという言葉の意味が広いからね。自分が作れるものはすべて「コンテンツ」にできるんだよ
コンテンツの種類を全てを書きだしていくとそれだけで記事が終わってしまいますので、カテゴリ別にいくつか代表的なものを紹介していきます。
テキスト制作の具体例
- ブログ記事作成
- レビュー・口コミ
- 編集・構成・リライト
- セールスコピー・セールスレター
記事の作成依頼のような時間コストの重い物から、商品モニターなどの短文を書くものまで様々な募集が行われていますが、「日本語」以外のスキルを必要せず、最も取り組み安いジャンルと言えます。
ぼくは日本語はとくいだよ
論理的な文章から感想文まで需要はいろいろあるから、今の自分にできるものも必ずあるよ
画像制作の具体例
- ロゴ・バナー・イラスト
- キャラクター・アニメ・アイコン
- 写真撮影
- 画像加工
作成者自身のデザイン性が問われるようなクリエイティブなものから、発注者の指示通りの図解を作成するものまで様々ですが、時間コストはテキストに比べて重いことが多いです。
くりえいてぃぶとか無理ぃ…
デザインセンスなんて無くても受注できる仕事はたくさんあるから大丈夫!
動画制作の具体例
- 広告動画制作
- イベント用動画制作
- YouTube用動画制作
- 動画編集
現在世の中で圧倒的に需要があるのは「動画編集」でしょう。
特にYouTube動画の編集はYouTube市場の伸びと共に右肩上がりで伸びています。
同じく台本のみで一から動画を制作するYouTube用動画制作も伸びているのでねらい目です。
YouTuberさんが自分で編集しているのかと思ってた
もちろんそういう人もいるけどね、本業が別にあって動画制作にあまり時間をかけられないインフルエンサーの人もたくさんいるんだよ
音楽・音響・音声制作の具体例
- 声優・ナレーション制作
- 楽曲制作
- ミキシング、マスタリング
- BGM制作
音楽に関する業務委託も定番のWEBコンテンツと言えます。Vtuberが歌う楽曲の制作や、歌い手が歌った後の音源のMIXなどの業務は、常に募集されています。
音楽編集なんて素人にもできるの??
そこまで難しくないよ。無料のソフトで編集して納品する人だっているし、使い方もネットに情報が沢山あるからね
その他にも画像やテキストなど単独でコンテンツとなるものだけでなく、それらを掛け合わせたオンライン教材なども最近増えているWEBコンテンツと言えるでしょう。
つまり、コンテンツ制作の選択肢は無限にあるということです。
今の自分の技術が使えるもの、むしろ技術がなくてもこれから取り組みたいという意欲さえあれば、コンテンツとして制作して販売できる可能性があるということです。
WEBコンテンツ制作はこれから取り組む価値のあるビジネス
WEBコンテンツ制作がおすすめできる最も重要な理由は、クラウドソーシングと相性が最高という点です。
クラウドソーシング市場は日本国内でも伸び続け、2017年には1.4兆円規模の超巨大市場に成長しました。
当然ですが、市場が大きいということは需要も大きいということです。
併せて、日本でも2019年4月から「働き方改革」が施工され、「多様で柔軟な働き方」が推奨されるようになっています。
この「多様で柔軟な働き方」とは、要は「正社員として週5日働く」という一般化された働き方だけにとらわれず様々な働き方を模索し、労働人口を増やすことで日本経済を強くしようという取組みです。
WEBコンテンツ制作は、クラウドソーシングの利用によって好きな時に受注でき、好きな仕事を選べる、正に時代に合った副業形態と言えるでしょう。
WEBコンテンツ制作の設計
WEBコンテンツ制作に取り組む際、まず最初にしておかなければいけないことは、WEBコンテンツ制作の設計をすることです。
具体的には「どんなコンテンツを制作するか」と「どこで販売するか」を決めることです。
一つずつ解説していきます。
どんなコンテンツを制作するか
先ほど世の中にWEBコンテンツは無限にある、という様な話をしましたが、人によっては向き不向きがありますので、自分に向いているコンテンツを制作するのが一番の近道であることは間違いありません。
「向いている」をどうやって見つけたらいいの?
「ジャンル」と「表現方法」の2軸で考えよう
WEBコンテンツの見つけ方は「ジャンル」×「表現方法」
WEBコンテンツ制作に向いている「ジャンル」とは、自分の本業や知識がある分野、知見を持っている分野のことです。
一方で「表現方法」とは、それをテキストで表すのか、画像で表すのかと、動画で表すのかということを指します。
例えばあなたに「育児経験」があり、「絵を描くのが上手」だとします。それであれば、あなたが作るのに適したWEBコンテンツは「育児にまつわる画像制作」ということになります。
この場合、発注者は「育児にまつわるコンテンツを作りたいが絵は描けない人」ということになります。
ちなみに、ジャンルには知見が必要だけど、表現方法は全く新しく取り組む事で構わないよ
たしかに「普段から動画編集してる経理事務です」なんて人ほとんどいないもんね
クリエイティブなセンスなんて無くて良い
そのワード自体のイメージなのか、どうしても「デザイン」や「動画制作」などの「表現方法」にも経験や知見が要らないという話になると「いやでもセンスがないから仕事なんて受けられない…」と尻込みしてしまう方がいますが、本当に必要ありません。
繰り返しになりますが、WEBコンテンツ制作に絶対にクリエイティブなセンスが必要ということは一切ありません。
なぜなら、クリエイティブなセンスが必要なコンテンツは、専業のクリエイターのものだからです。
しかし市場の需要として、当然ながら高単価なクリエイターの仕事だけが求められているわけでは決してありません。「芸術」が欲しい人よりも圧倒的に、「自分の仕事に関する情報を整理して画像やテキストにして欲しい」という人の方が多いのが実情なのです。
情報を整理して伝える、なら普段の仕事とそんなに変わらない気がしてきた
もちろんクリエイティブに自信があるならそっちに全振りしてもいいけどね
どこでWEBコンテンツを販売するか
設計の段階で決めなければいけない項目の2番目は「コンテンツを販売する場所」です。
なぜなら、販売する場所によってコンテンツ制作にかけられる時間コストが段違いだからです。
販売方法は大きく「クラウドソーシング」と「プラットフォーム」の2種類に分けられます。
絶対という訳ではありませんが、傾向として以下のような分けられ方になることが多いです。
- クラウドソーシング
-
受注する、納期短め、単価安め、時間コスト低め、制作難度低め
- プラットフォーム
-
自発的に売る、納期なし、単価高い、時間コスト高い、制作難度高め
結論から言うと、初心者にはクラウドソーシングで仕事を受注するのがおすすめです。
これら2つは並列というよりも階段状に並んでいて、クラウドソーシングで実績を積む➡プラットフォームでコンテンツを売るという順番で進めるのが一般的です。
それぞれの特徴をお話ししながら理由を説明します。
クラウドソーシングで業務を受注する
クラウドソーシングとは、企業や個人が発注者となりインターネット上で不特定多数に業務を発注する業務形態のことです。
受注者は募集されている仕事に応募する形で仕事を得ることになります。
クラウドソーシングが初心者におすすめな理由
クラウドソーシングはあくまで発注者がいて、そこに応募する形で仕事を受注します。
仕事量の大小はもちろんありますが、基本的には全て量、期限、報酬はパッケージになっていて、発注者が求める基準以上の質で納品できればそれで仕事は完了です。
いわばテンプレートに沿って仕事が進んでいくので、WEB上での業務委託に慣れていない初心者にとっても手順がわかりやすいというメリットがあります。
プラットフォームを利用して販売する
一方で、プラットフォームを利用して自分でコンテンツを売るとなると、納期もなく価格も自分で決めることになります。
コンテンツを作りこむこともいくらでもできますので、業務完了の線引きが難しいというデメリットがあります。
特に初心者にはその加減が難しく、向いていないかもしれません。
例えば「noteで低単価でテキストだけのコンテンツ」を売るというやり方もありますが、記事を見てもらったにも関わらず実績がないと売れないという現実があります。
ページビューを稼ぐのとテキストをコンテンツとして売る、というのは実は似ていても全く違うものなのです。
実績(=数字)を作りやすいのはやはりクラウドソーシングなので、いずれにせよクラウドソーシングに軍配が上がります。
YouTubeは見るけどCDは買わない、みたいな話に似てるな…
一応プラットフォームの例を載せておくから、どんな感じか見てみるのはいいと思うよ。
- note
- Brain
- オンクラス
WEBコンテンツ制作の基礎
コンテンツの設計が終わり、ジャンルと販売場所が決まったら、次は具体的なコンテンツの作り方についてお話ししましょう。
ただ、テキスト、画像、動画、音声などすべてのコンテンツの作成方法をここで紹介していては情報が混沌としてしまうますので、この記事ではあらゆるコンテンツの制作に共通する「基礎的な考え方」について紹介します。
コンテンツ制作の目的を決める
最初に決めるべきことは、コンテンツ制作の「目的」です。
あなたがこれから作ろうとしているコンテンツはいったい何の為に作るのでしょう。
言い換えると、一人の為に作るのか、大多数の為に作るのか、ということです。
…?いまいち違いがわからないんだけど
一人に売るのであればよりパーソナライズしたコンテンツが必要で、不特定多数の為に作るのであればテンプレート的なコンテンツを作る必要があるよ
前者であれば、目的はコンテンツを販売する顧客に「継続顧客」になってもらうことが重要です。
その為にはコンテンツ自体を顧客向けにカスタマイズし、クオリティを上げる必要があります。
反対に後者であれば、コンテンツをより一般化し、他のジャンルのコンテンツにも応用できるような普遍的なコンテンツにする必要があるということです。
「家庭教師」と「学習塾」の違い
勉強で例えるなら、前者は「家庭教師」で後者は「学習塾」の様なイメージです。
家庭教師は生徒一人の学力を伸ばす為に生徒に合わせた学習カリキュラムを組みます。
生徒一人ひとり得手不得手は違うので、カリキュラムの作成などの時間コストはかかりますが、単価は高くなるでしょう。
反対に「学習塾」では生徒一人一人に合わせるというよりは、教科ごとに最低限必要な知識を得る為に必要な授業は決まっていますので、個別のカリキュラムを作る必要などはありません。
さらに言えば、「学習塾」用に作ったコンテンツは他のクラスを担当する際にもそのまま使えます。
単価は高くなりにくいですが、多売により稼ぐスタイルと言えます。
なんとなくわかったけど、どっちが初心者におすすめとかある?
圧倒的に「家庭教師」がおすすめだよ
初心者は「一人」に向けたコンテンツ制作から始めるべき
初心者の内は、「継続顧客」の為にパーソナライズされたコンテンツを制作するのがおすすめです。
なぜかと言うと、パーソナライズされたコンテンツは不特定多数に提供するコンテンツに比べ、「深い」コンテンツになりやすいからです。
「一人」に向けたコンテンツは深く刺さる
ここでも受験勉強に例えましょう。「家庭教師」では生徒とコミュニケーションをとり、生徒の得意な科目や範囲についてあらかじめ想定してカリキュラムを組むことになるでしょう。
あなたが作るカリキュラムは、そもそも生徒の意向を汲んでいるので、少なくとも教科そもそもに需要がないということがありません。
一方学習塾では、必要な内容を全て網羅した授業をしなければいけません。
つまり、単純に制作するコンテンツの範囲が広いのです。しかも、範囲内の全ての項目に需要があるとも限りません。
生徒はどこが知りたいか、わからないかを判断する為にはそのジャンルについての知見や経験が必要になります。
初心者が「深く刺さる」コンテンツを作るには。できるかぎり範囲が狭くある必要があります。
そしてさらに、「一人」に向けたコンテンツの販売場所は主に「クラウドソーシング」、「多数」に向けたコンテンツの販売場所は「プラットフォーム」です。
「販売場所」という視点でも初心者には「一人」に向けたコンテンツ制作が向いているということになります。
そのコンテンツは誰をターゲットにするのか
では次は、その「一人」をどのように決めたらいいかという話に移ります。
決め方はまず自分が作るコンテンツを必要としている人を想像することから始めます。
その「一人」の生活環境や年齢や性別、収入などを想像し、どのようなコンテンツを求めているかを想像しましょう。
「架空のお客さん」を想像するってこと?むずかしいな…
そのお客さんが君の作るコンテンツを使って何をしたいか、というところまで想像するんだよ
さきほどの「家庭教師」の場合は、生徒があらかじめ決まっていて、生徒に直接伸ばしたい教科や範囲についてインタビューすることができましたが、WEBコンテンツ制作の場合には、自分が作れるコンテンツに合わせて「生徒」を選んでいくことになります。
順番が逆ってことだね
この「あなたが想像した顧客像」のことを、一般的には「ペルソナ」と言います。
そう言われてもなあ…ペルソナをどうやって決めたらいいかもわからないよ
という方の為に、ペルソナを決める為のヒントについて少し紹介します。
「ペルソナ」を決めるための切り口
さきほど少し触れましたが、あなたのコンテンツをお金を出してでも欲しいという「お客さん」は、何らかの目的を持ってコンテンツを必要としているはずです。
その目的によってペルソナを決めるのも一つの方法です。
少し抽象的な話が多くなってしまったので、ここで一つ例を出しましょう。
仮にあなたが持っているコンテンツが「絵を描くこと」だとしましょう。その場合、想定できるペルソナは例えば以下のようなものがあります。
- SNSのアイコンが欲しい学生
-
デフォルメされた可愛いキャラクターを描くスキル。
- 漫画を載せたいブロガー
-
漫画を描くスキル。文章から「ネーム」を作成するスキル。
- オリジナルキャラクターが欲しいVtuber
-
カラーイラストを描くスキル。(+モデリングするスキル)
自分のスキルにマッチしたペルソナを想像し、自分の作るコンテンツがどの層に需要があるかを考えます。
ただし、上記の例はあくまで「切り口」です。漫画が描けるからブロガーならなんでもいい、ではもちろんありません。
自分が描ける漫画はブロガー向けかブロガー向けであれば育児ブログか健康ブログか、年齢や性別は…といったようにペルソナは深堀していく必要があります。
「ペルソナ」は世の中に存在するか
「ペルソナ」を定めたら、次はその「ペルソナ」が本当に実在するかを確認しておきましょう。
ぼくのペルソナ「加藤さん」は、架空のお客さんだから実在しないでしょ…
何もかも一致する人じゃなくて、志向が似た人がたくさんいて「市場」ができているかを確認しよう、ってことね…
クラウドソーシングで募集されている仕事は何千何万とありますから、明らかに需要がないような突飛なジャンルでなければペルソナに該当する客が一人もいないということはないはずです。
しかし、数人しかいないジャンルのコンテンツを作成してもすぐに客が尽きます。
なので、ジャンルの需要があるかどうかはあらかじめ市場調査しましょう。
一番簡単な市場調査方法は、クラウドソーシングサイトで募集件数を見てみることです。
絶対的な目安はありませんが、少なくとも数十件需要があるのであれば一定の需要はあると判断していいでしょう。
需要が確認出来たらあなたが最初に決めた「ペルソナ」に対して、実際にコンテンツを作っていくことになります。
あなたが制作するコンテンツが持つ付加価値とはなにか
ここからはコンテンツの制作をする段階ですが、クラウドソーシングサイトを利用する場合は、最初はサンプルのコンテンツを作成することになると思います。
こういったサンプルのコンテンツを一般的にはポートフォリオと言います。言わばあなたがどんなコンテンツを作れるかを示す「見本市」です。
実際に受注する場合にはもちろん発注者の希望に合わせてコンテンツを一から作成することになりますが、発注者はそもそも自分の志向にあったクリエイターに仕事を依頼しますので、あなたという受注者を「プロフィール」と「ポートフォリオ」で判断します。
そのため、選ばれる受注者になるためにはポートフォリオを丁寧に作りこみ、さらに一貫性を持たせることが重要です。
「ペルソナ」さんが好きそうな世界観を並べておくべきってことだね
まあ、乱暴に言うとそういうこと…
そしてもう一つ重要な点、他の大勢のクリエイターの中からあなたを選んでもらう為に、ポートフォリオで表現できるあなたの「付加価値」をコンテンツに盛り込むようにしましょう。
また難しそうなことを言う…
「付加価値」についてもきちんと説明するよ
コンテンツの「付加価値」とはそもそもなにか
WEBコンテンツにおける付加価値とは、端的に言うと他のコンテンツに比べてあなたのコンテンツが優れている機能や見た目のことです。
反対に、コンテンツがそもそも備えていなければいけない「コンテンツ力」のことを基本価値と言います。
先ほどの「絵を描く」を例に挙げると、基本価値は「絵が上手く描ける」というものです。
しかし、基本価値はある意味全てのクリエイターが持っていなければいけないもので、他のクリエイターと差別化する為にはコンテンツに「付加価値」があるかどうかを意識して行う必要があります。
ピンとこない方がいらっしゃるかもしれないので、先ほどの「絵を描く」を例に付加価値の具体例をいくつかあげます。
- 目を奪うような美しい絵
- 観ていてワクワクするような躍動感のある絵
- イラストの背後にあるストーリーを想起させるような絵
うーん…?とにかくめっちゃうまい!というのを言い換えただけじゃない?
定義がきちんとわかれているのでまずはこちらを読んでね
コンテンツの「付加価値」は大きく「感覚価値」と「観念価値」の2つにわかれます。
先ほどの例で言えば「1」と「2」は感覚価値、「3」は観念価値にあたります。
定義を確認しておきましょう。
感覚価値
感覚価値とは、観る者の五感に訴えかけるような感情を揺さぶる価値のことです。
「へえ、うまいな」ではなく「え?なんでこんな綺麗に描けるの?」というようなコンテンツ自体の価値のことを言います。
観念価値
観念価値とは、コンテンツ自体の上手さや機能性ではなく、コンテンツに独自のストーリーを付加する価値のことです。
同じ例を出すと「へえ、うまいな」ではなく「このキャラクターにはこんな悲しい過去がありそう…」というように、観る者に想像させるようなコンテンツ自体の価値のことを言います。
そして、観念価値は感覚価値の上位に位置する価値です。
視覚や聴覚で相手に驚きを与えるよりも、ストーリーを想起させた方がより相手に影響を及ぼしていると言え、コンテンツの付加価値が高いということになります。
相手の行動に影響を与えるのが最上位の付加価値ってことだね
その通り。つまりペルソナが描いているニーズの完成を誘導するようなコンテンツが作れたら勝ちってことだね
この「付加価値」の考え方はもちろん「絵を描く」だけでなく、テキスト、画像、動画、音声の全てに共通する考え方です。
前章で定めた「ペルソナ」のニーズに刺さるような「ストーリー」を含んだコンテンツを作成することを意識してコンテンツを制作しましょう。
なるほど、どんなコンテンツを作らなきゃいけないかっていうヒントはもらえたかな
次の章では、実際に制作したコンテンツをクラウドソーシングサイトで売り込む方法を解説していくよ
クラウドソーシングでWEBコンテンツを売り込む
ここまでの流れをおさらいしておきましょう。
- 初心者がWEBコンテンツをつくる際には「特定の誰か」を想定したコンテンツの方が良い
- 「特定の誰か」のニーズを読み、ニーズに合ったストーリーを想起させるコンテンツを作る
- 「特定の誰か」に向けたコンテンツ販売なら、クラウドソーシングが最適である
ということで、ここからはクラウドソーシングサイトを実際にどのように利用したらよいかについて解説していきます。
クラウドソーシングの始め方
では、実際にクラウドソーシングを利用する手順について説明していきます。大きく以下の4段階の手順にわかれます。
おすすめのクラウドソーシングサイトとアカウントの登録方法を解説します。
プロフィールの記載に仕方について解説します。
ポートフォリオの作成方法について解説します。
クラウドソーシングサイト内で仕事を探す方法について解説します。
実績を積んでいけば、向こうから指名であなたに依頼したいという発注者が現れるかもしれませんが、ここでは初心者の方向けにはじめてクラウドソーシングサービスを利用する場合の手順を説明します。
1.クラウドソーシングサービスに登録する
手順に一番目はクラウドソーシングサイトのアカウントを作るところからです。
クラウドソーシングサイトの選び方は簡単で、「人が多いところ」がとにかく最優先です。
管理画面の使いやすさという様な点も大事かもしれませんが、そもそも魚がいない湖に糸を垂らしても仕方がないので、メジャーなクラウドソーシングサイトを選ぶようにしましょう。
国内のクラウドソーシングサービスでは、以下のサイトがメジャーどころと言えるでしょう。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- sufuti
- ココナラ
上記の内だったらどれを利用しても大丈夫ですが、ここでは国内最大手のクラウドソーシングサービスである「クラウドワークス」を使って解説していきます。
アカウント登録の仕方
まずは、「クラウドワークス」のサイトへアクセスします。
トップ画面下の「まずは無料で会員登録」を選択します。
アカウント登録画面に遷移します。最低限必要なのはメールアドレスのみです。
または、FacebookアカウントやYahoo!アカウントでも登録は行えますが、ここではメールアドレスで登録を行います。
登録が終わったら、メールアドレスに確認のメールが届きますので、メールに記載されたURLをタップしましょう。
飛んだ先のURLで、名前、生年月日等のプロフィールを入力していきます。
それが終わったら確認画面が表示されますので、正しければ確認ボタンを押しましょう。
これで登録は完了です。
えっもうおわり??
実際に仕事を受ける段階になったら報酬の入金用口座なんかを指定する必要があるけど、アカウントの登録はこれだけで終わりだよ
2.「プロフィール」を記載する
アカウント登録が終わったら、次にすべきことは「プロフィール」を充実させることです。
今の段階では他の方からはあなたの情報が何も読み取れません。発注者の目を引くプロフィールを作成する必要があります。
では、実際にクラウドワーカーがプロフィールに記載すべき内容とはなんでしょうか。答えは「選ぶ側が欲しい情報だけを書く」ことです。
それって当たり前では…?
実際にクラウドソーシングサイトで見てみればわかるけど、とにかく自分の所属(学生とか)年齢とか「自己紹介」を書いてる人が驚くほどいるよ
依頼主が欲しい情報=好まれるプロフィールを作るためのポイントは以下の4点です。
- アイコンは清潔感を重視
- 対応可能な業務
- 使用ソフト、機材
- コンテンツ制作に関わる実績
一つずつ、クラウドソーシングサイトのプロフィールを想定して例を交えて説明していきます。
2-1.アイコンは清潔感を重視
アイコンは文章を読む前に目に入るプロフィールの玄関です。
当然信頼感がおけるアイコンが良いですし、可能ならば顔出ししていた方が信頼は得やすいです。
顔出しする際は清潔感があり、快活なイメージを与えられるような画像を使用しましょう。例を出すと以下のような感じです。
アイコンの具体例
○良い例
×悪い例
まぁわかるけど、これは他人に撮ってもらってるみたいだけど自撮りじゃだめなの?
自撮りだと「寄り」になりすぎるから、できたら友達とか家族に撮ってもらうのがおすすめかな。もちろん費用をかけられるなら専用のスタジオで撮ってもらうのがベストだね
2-2.対応可能な業務
コンテンツ制作に関連する対応業務とは、例えば動画編集なら「素材の撮影や録音まで編集者側(あなた)でできます。」というようなものです。
もちろん対応可能業務は多ければ多い程信頼度は上がりますが、できない事を書いても仕方ありません。
制作するコンテンツについての情報は必ず記載が必要ですが、その他関連する業務で対応可能な業務がもしあれば記載してください。
文章でだらだらと書く必要はなく、箇条書きで記載すればよいでしょう。
- 動画や画像の撮影
- 音声の録音
- サムネイル作成
- 動画タイトルのSEO対策
ちょっとどれも厳しいかな…
その場合は「編集は最低限できて、指示通りの動画を制作します」ってことを丁寧に書けばいいよ
また、特別なスキルがなくても依頼主からありがたい「対応可能業務」があります。
それは、「即日納品可能」です。
副業でコンテンツ制作を始める場合は厳しいかもしれませんが、例えば「休みの前日までに連絡を貰えたら2日以内に納品可能」と記載してあればそれだけで他の応募者とは差がつけられます。
2-3.使用ソフト、機材
コンテンツによっては発注者がソフトを指定していることがありますので、主要な使用可能ソフトは全て記載しておきましょう。
また、ソフトや機材についても箇条書きで記載するようにしましょう。
2-4.コンテンツ制作に関わる実績
これまで作成したコンテンツの実績があれば記載します。無い場合は省略しますが、実績が増えるたびに必ず追記していきましょう。
特に目を引くような案件名は具体的に、そうでない場合は制作実績●●件と数値でアピールするようにします。
あぶない…プロフィールに好きな映画とか書くところだった…
全然笑い話じゃなくて、そういう人実は結構要るよ…
3.ポートフォリオを作成する
クラウドワーカーにおけるポートフォリオとは言わばあなたの「作品集」、つまりあなたができる技術を使って作成したコンテンツをまとめたものです。
サンプルのコンテンツを作成することで、あなたができること、あなたの志向などを発注者の知らせることができます。
実際に受注して作成したコンテンツを実績としてポートフォリオに追加するのもおすすめですが、依頼主によっては公開NGなケースもありますので注意しましょう。
ポートフォリオの公開方法
ポートフォリオとして最も適しているのは自分のWEBサイトですが、WEBサイトを作るのが難しい場合は「foriio」のようにポートフォリオ専用のサイトなどもありますのでそちらを利用してもよいでしょう。
また作品のアップロードについては、画像データや音声ファイルなど容量が軽いので自分のPC内にあるファイルをアップロードすればOKですが、動画についてはYouTubeなどのURLを指定してリンクを貼ることになります。
YouTubeに動画を上げる方法についてはこちらで1から解説していますので参照してくださいね。
4.仕事を探す
プロフィールの作成が完了したら次はいよいよ仕事を探す段階です。具体的な手順は次の通り。
- カテゴリ又はキーワードから応募したい仕事を探す
- 仕事を選んだら募集要項を読む
- 応募する or 発注者に相談する
ご覧の通り、かなり流れとしては単純です。
ここまで読み進めた方は既に自分が作るべきコンテンツを理解していらっしゃるはずですので、後は「自分のコンテンツ」と仕事の募集要項が合致すればOKです。
クラウドワークスの仕事検索窓に自分が応募したい仕事のジャンルを入力します。
例えば「絵を描く」仕事が欲しいなら「イラスト」と入力します。
その際「依頼形式」を指定することができます。大まかにわけると「コンペ」か「タスク」のいずれかを選択します。
「コンペ」とは、発注者の業務に対して応募者が複数応募し、採用された人だけが報酬を得る形式です。初心者はまず「タスク」から選ぶのが良いでしょう。
「タスク」とは、自分がやった仕事に対してやった分だけの報酬が確約される形式です。
ちなみに「時間単価制」はある程度実績がないと採用されずらいと思うよ
まずはタスクから…( ..)φメモメモ
イラストの募集だけでも、ロゴデザインからアイコンイラスト作成、漫画制作など幅広く募集されています。
募集要項については条件やそもそもの書き方などにもかなり差がありますが、一例としてはこのような形で募集が行われます。
募集要項をよく確認し、自分の希望と合致したら次のステップは「応募する」かもしくは「発注者に相談する」かの2択になります。
自分のスキルや実績に自信がある場合などは直接応募してもいいかもしれませんが、基本的に応募前に相談して疑問点をクリアにしてから応募した方が成約率も高いですし、後からトラブルになりにくいので、何か聞きたいことがあれば積極的に相談することをおすすめします。
応募に際してこちらから提示する条件は以下の通りです。
- 契約金額
- 支払方式
- 源泉徴収の有無
- 応募の有効期間
ただ、これらの条件はあらかじめ募集要項に記載されている事が多いのでまず募集要項はしっかりと確認しましょう。
5万円で書いてね!って言ってるのに10万円ください!じゃ採用されるわけないもんね。
反対に、納期とかの条件は事前相談すれば変更してくれる場合もあるから、やっぱり事前に相談するのがおすすめかな
応募後は、発注者からあなたに直接応募の成否について連絡があります。
成立した場合は、詳細なイラストのイメージや納品量、納期などについて打ち合わせを行うことになります。
反対に、もちろん応募多数の場合は不採用になります。
不採用の理由を教えてくれるかは発注者によりますが、いずれにせよあまり気にせず次の案件に応募するのが得策でしょう。
最後に、クラウドソーシングサイトを利用する際の注意点についても紹介します。
クラウドソーシングの注意点
クラウドソーシングを始める際にいくつか気を付けておいて欲しいことがあります。
それはネット上の取引と言えど、画面の向こう側には人がいる、ということです。
・・・?それって当たり前じゃ??
最初はね、緊張してるから。でも慣れてくると対面に人がいないと対応が雑になったりする人は結構多いんだよ
クラウドソーシングはあくまで仕事です。友達関係なら多少の融通が利くかもしれませんが、お金が発生する第三者との取引においては、最低限のビジネスマナーは守りましょう。
中でも特に気をつけなければいけない項目を2点ピックアップしたので確認していきましょう。
期日の厳守
これからあなたが応募する仕事は、それがどんな種類の仕事であっても99.9%期限が設定されています。
発注者は目的があって仕事を依頼しているので、ある意味当然と言えるでしょう。
「期日」は募集要項の中でも最も重要と言っても過言ではありません。
納品物の質は妥協されるケースもありますが、期限を守らない人に二度と依頼はしないでしょう。
期日の厳守、もしくは発注者への事前相談は欠かさないようにしましょう。
ふむ・・・つまり大事なのは、自分のキャパで間に合わない仕事は最初から応募しないってことだよね。
そうだね・・仮にどうしてもやってみたい仕事があって、期限に間に合いそうにない時は、事前に相談しよう
取引後のやり取りは丁寧に
よくある失敗談として、仕事への応募まではとても丁寧に接し、自身が採用された後もしくは、仕事が終わった後の対応が雑になってしまうというパターンがあります。
それは仕事をやっていく上でのやり取りを重ねる中である種の信頼感が生まれ、友人や知り合いという間柄であると錯覚することでも起こり得ます。
しかし、仕事は1件が終われば全てが終わりではありません。
納品物の質が良く最後まで丁寧なやり取りができたのであれば、今度は自分から応募するまでもなく、発注者側からオファーがあることもあるでしょう。
やり取りは、画面の向こう側に相手がいることを想像し、最後まで丁寧に行いましょう。
うんうん、頭の中ではわかっているけど、気を抜かないように最後まで丁寧に対応するよ
ビジネスマナーはスキルなんかよりある意味重要なものだからね。
WEBコンテンツ制作の開業準備
ここからは、実際に開業に向けた準備が全て終わった後の「開業時の事務的な必需品」と「行政手続き」にまつわるお話です。
なんならこっちの方がよくわからない…
こっちも順番に片づけていけば難しくないよ
開業時の行政手続きはそこまで複雑なものではありませんが、忘れると取り返しがつかないものもあるのであらかじめ確認しておきましょう。
大きく分けて「事業に必要なモノの準備」と「行政手続き」の2つに分けて紹介します。
開業までに準備しておくモノ
- 事業用銀行口座
- 帳簿書類
- マイナンバーカード
詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
「事業主」になるための行政手続き
開業時に必ずやっておくべき3つの行政手続きについて紹介します。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
- 社会保険
詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
個人事業主の社会保険はどうなっているの?
あくまで副業として動画投稿をするのであれば、社会保険の手続きは特に必要ありません。
ただし専業の「個人事業主」になるということであれば、今加入している社会保険は抜けることになるので「年金」と「健康保険」の手続きが必要です。
年金
退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区役所または町村役場に手続きを行います。
年金手帳、離職票、印鑑、身分証などを持参しましょう。
健康保険
健康保険は、一般的には次の2つの選択肢から選択します。
- 国民健康保険
-
退職日から14日以内に年金と同じく市区役所等で手続きします。
- 任意継続
-
勤めている会社の健康保険を2年間継続適用
「任意継続」については、これまで半分保険料を負担してくれていた会社の負担額がなくなるので、保険料は高くなりますがこれまでと同様の給付内容が受けられるので、条件の良い健保組合に加入されていた方は検討の余地があるでしょう。
WEBコンテンツについてよくある質問
この記事に関してよくある質問をいくつか紹介します
この記事のまとめ
- WEBコンテンツ市場はクラウドソーシングの伸びに併せて需要が伸びている
- WEBコンテンツの具体例
- WEBコンテンツを制作するには「設計」が重要
- WEBコンテンツ制作の基本的な考え方
- クラウドソーシングサイトの利用方法や注意点
- WEBコンテンツ制作で開業する時の行政手続き
お疲れ様でした!今回もWEBコンテンツ制作のはじめ方について長々とここまで解説してきました。
クラウドソーシングは世間的にもかなり認知され、専用の運営サイトも数多く出てきており、仕組み自体も成熟してきています。
クラウドソーシングサービスを仲介することで個人間のトラブル、特に金銭トラブルなどが起こりにくい仕組みになっていますので、安心して取引をすることができるでしょう。
なにより先ほどご紹介したように、他の副業とは違って職種の受け皿がとても広いので、あなたが志向する仕事もきっとクラウドソーシングの中では募集されているはずです。
是非一度、ホームページを覗いてみて、どんな仕事があるかを確認してみるのはいかがでしょうか。
本当に色んな仕事があって、結構見てるだけでも楽しいね。
職種の多様さもだけど、色んな仕事の相場観とかが知れて面白いかもしれないね!