この記事の信頼性
10年以上いろいろなビジネスの財務コンサルタントをしてきた経験から、様々なビジネスの「仕組み」について解説します
- ネットショップってどんなビジネスかわからない
- ネットショップを始めたいが、どこから始めたらいいかわからない
- ネットショップの商品をどこから仕入れたらいいかわからない
この記事では上記についての悩みに答えるべく以下の項目について一つずつ解説していきます。
- ネットショップビジネスの概要
- ネットショップの開業準備
- ネットショップの商品の探し方
Amazonで買い物はするけど、売ったことはないなあ
難しく感じるかもだけど、一つずつ手順を踏めば難しいことはないよ。この記事では開業に必要な知識を1から100まで紹介するね
ネットショップというビジネス
ネットショップとはインターネット上でモノを売るウェブサイトのことです。「オンラインショップ」とも「ECサイト」とも呼ばれることがありますが、意味は全て同じです。
インターネット上にお店を持ち、既存の商品を仕入れて販売をしたり、自作のオリジナル商品を販売して稼ぎを得る副業です。
ネットショップ業界は伸びている?
インターネットの普及に伴ってネットショッピング市場は右肩上がりを続けてきました。
その結果ネットショップの数も年々増加を続けており、Yahoo!ショッピング、Amazon Japan、楽天市場に登録している店舗総数は2019年時点で約110万にも上ります。(※エンパワーショップ㈱調べ)
最近ではコロナウイルスの感染拡大に伴い、人と接触せず買い物ができるネットショッピングの需要がさらに高まりを見せています。
ネットショップの種類
伸びているのはわかったよ。でも自分がショップを立ち上げるって想像もつかないなあ
まずはどんなネットショップの種類があるかを紹介するね
未経験者が1から始められるネットショップの種類を大別すると「モール型」、「カート型(ASP)」、の2つにわかれます。
もう一つ「ECパッケージ」と呼ばれる自社サーバーに専用ソフトインストールして構築するネットショップもありますが、費用面と開業後の管理の煩雑さから、未経験者には不向きです。
そもそも「ECパッケージ」は法人向けのサービスだからここでは「モール型」と「カート型」の二つを紹介していくよ。
モール型ネットショップの概要
多数の企業のショップが集まって、大きな1つのショップとなっているサイトの事をモール型ECサイトと呼びます。
イオンなどのショッピングモールのインターネット版だと思っていただければイメージしやすいでしょう。
- Amazon
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- minne
モール型ネットショップを出店するメリットとデメリットは以下の通り
モール型ネットショップのメリット
- モール自体に集客力があるため集客の負担が大幅に軽減される
- 既存のフォームがあるのでサイト作成の手間が省ける
- ショップの信用度が上がる
モール型ネットショップのデメリット
- 出店料やロイヤリティなどのコストがかかる
- サイトデザインがしにくいのでブランディングが難しく、覚えてもらいにくい
- 既存商品だと価格競争が起こり、儲けが出にくい
モール型の最大の利点は集客力です。
イオンの食品売り場に用があるついでに専門店街の衣料品店や雑貨屋さんに立ち寄る事は無いでしょうか?
それと同じように、自分のお店に用があってモールに来店したわけではないが「あなたへのおすすめ」機能などを利用して”偶然見つけて買ってもらえる”という強みがあります。
・費用がかかってもいいのですぐに結果を出したい人
カート型ネットショップ(ASP)の概要
カート型ネットショップとは、ネットショップ専門のウェブサイト構築サービスのことを指します。
- Shopify
- BASE
- カラーミーショップ
- メイクショップ
ASP内でドメイン登録、サーバーへのアップロード、CMS(サイト構築機能)のインストールなどが行えますので、ウェブサイトを全て自分で用意する必要がありません。
「買い物カゴ(ショッピングカート)機能が標準搭載されているブログ」の様なイメージです。
Shopifyみたいに自分で立ち上げたブログ(ワードプレス)と後から連携させられるASPもあるよ
カート型ネットショップを出店するメリットとデメリットは以下の通り
カート型ネットショップのメリット
- 手数料などのコストが低く、利益率が高い
- 自由度が高く、サイトに個性を出しやすい
- 管理画面上で顧客分析やマーケティングなどが可能
カート型ネットショップのデメリット
- 集客に時間と労力がかかる
- 規模が大きくなると運用の手間が追い付かなくなる
- テンプレートのカスタマイズには専門知識が必要
運用の手間とは?
簡単に言うと決済のチェックから発送、と手動でやることになるから例えばFBAがあるアマゾンなんかに比べるとやることが多いよね
・費用を抑えてじっくりショップを育てたい人
ネットショップのはじめ方
ここからは実際にネットショップを開業する手順についてお話ししていきます。
売上目標、ショップのコンセプト、取り扱う商品のジャンル、ショップ形態などを明確にしておきます。
様々な種類がある商品の仕入れ先から、自分のショップに最適な仕入れ方法を検討します。
開業にあたって、法令に従った形で運用できるように必要な届出は確認しておきましょう。
準備が整ったらいよいよ実際に出品します。運用に支障がないように一度はテスト注文をします。
順にポイントを解説していきますが、まず一番最初に決めることは「ショップの事業計画」についてです。
事業計画を作成する
ここで言う事業計画とは、数字上の「目標」だけではなく、事業を行う「目的」の計画を以下の項目に沿って立てるということです。
- ショップのコンセプト
- 売上目標
- 業務フロー図の作成
- 出店方法の選択
ショップのコンセプト
ショップを無計画にただ始めても、あなたが奇跡的な豪運に恵まれていない限り100%失敗します。
理由は、他のショップとの差別化が困難だからです。
あなたのショップは何が専門なのか、どんな特色が出せるのかという計画を事前に立てましょう。
また、ショップ名も差別化の大きなポイントです。
- 覚えてもらいやすいか
- オリジナリティがあるか
- 長すぎないか
などの視点から命名しましょう。
どんなジャンルの商品を誰に売る?
最初に決めることは「取り扱う商品のジャンル」です。なんでもかんでどこかで安く売ってたから仕入れて売る、ではあなたのショップのリピーターは増えていきません。ジャンルは絞った方がベターです。
またジャンルとセットで決めなければいけないことは「誰」に売るかです。
つまりターゲットを必ず決めておくようにしましょう。
例えばあなたがファッションに関するショップを開きたいとします。
ターゲット像が決まっていなければどんな服を仕入れたらいいかがブレてしまいますよね?「ジャンル」と「ターゲット」はセットと覚えておいてください。
ネットショップで取り扱いの多いジャンル
ネットショップで取り扱いの多い商品ジャンルは以下の様なものです。
- 食料品
- ファッション
- 日用品、生活雑貨
- お酒
- 美容用品、健康食品
- 書籍、DVD
たしかにぼくがネットショップで買うのはこれらの中のどれかがほとんどだな
中でもダントツで食料品が多いよ
サイトデザインの検討
ShopifyやMakeshopなどのASP型のネットショップを立ち上げるなら、サイトデザインをある程度自由に決められます。
ジャンルと一緒に決めたターゲットに馴染むようなサイトデザインを以下のような項目に沿って検討します。
- 性別
- 年齢
- 生活様式
モール型ネットショップならここは考える必要はないよ
市場調査はマスト
「ジャンル」と「ターゲット」が決まったら、次に行うのは「市場調査」です。
同ジャンルのネットショップはどれくらいあり、どんな商品を売っているかを調査し、差別化できそう、勝機がありそうならば参入しましょう。
反対に、調査の結果を見て競合が多すぎる、強すぎる、そもそも市場が小さすぎるといった場合はコンセプトから練り直すべきかもしれません。
競合がいない=市場がないってことだから要はバランスが重要だね
ライバルがいなきゃOKってわけじゃないのか…
売上目標
ショップのコンセプトが決まったら、ショップの売り上げ目標を決めましょう。
売上は基本的に「単価×数量」で決まりますが、ネットショップの開業時に立てる目標は「数量」をより具体的な計画にしなければなりません。
売上 = 客単価×市場規模×認知率×購入率
ここまで分析できれば最高ですが、最初から自分のショップの認知率をデータで測るのは難しいケースが多いと思いますので、もう少し単純化すると
売上 = 客単価×アクセス人数 × 購入率
こういった計算式で計画を立てるのが現実的かもしれません。ちなみに市場規模は下記のサイトで調べることができます。
業務フロー図の作成
ネットショップ開業後に手順に迷わないように、あらかじめどのような作業がどの順番で発生するかを業務フロー図にまとめておきましょう。
具体的には以下のような項目について確認しておきます。
- 商品の保管場所
-
仕入れた商品の保管場所や配送コスト(費用、投下時間)などの確認
- 商品登録
-
商品の撮影、商品の紹介文などの作成コスト(費用、投下時間)などの確認
- 決済手段の確認
-
クレジットカード決済、コンビニ払い、代金引換、銀行振込などの対応範囲を確認
- 配送手段
-
商品サイズによる配送業者の選定(料金とサービスのバランス)
これらを全て選択したら、開業前に実際の業務フローに従って本当に運用できるかテスト注文をしておきましょう。
一連の流れに不備があればフローを改めて見直します。
出店方法の選択
さきほどお話しした「モール型ネットショップ」か「ASP型ネットショップ」かを選択します。大まかな判断基準は以下の通り。
- 商品ジャンル
-
同ジャンルの競合がどの形態をとっているか
- 価格帯
-
薄利多売か、単価の高いジャンルを扱うか
- 売上目標
-
大規模ショップを目指すか、小規模ショップとして副業の範囲で済ませるか
- 時間コスト
-
自分の手間をどれかでかけられるか
- 運用コスト
-
月額固定費、販売手数料、初期費用など
例えば競合がみんなモール型であれば、市場が既にモール型にできてしまっている可能性があります。
差別化を狙ってあえてASP型にする方法もありますが、集客は難しくなるでしょう。
また、薄利多売であればモール型の方が向いています。
こちらは売上目標や時間コストとも関係しますが、とにかく販売数が多いジャンルであれば、モール型の方が時間コストはかからず、向いていると言えるでしょう。
反対に、コレクター向けの高単価な商品を取り扱いたい場合や、自分の個性を出したショップを開業したい場合はASP型のネットショップの方が向いています。
初期費用もASP型の方が抑えられる傾向にあります。
商品登録、テスト注文
商品仕入、必要な許可の取得等、ここまでの準備が全て整ったら、実際に商品を自分のショップに登録する段階に入ります。
モール型もしくはASP型のあなたのアカウントの管理画面から商品登録をしてみましょう。
商品の紹介文とかどうやって書いたらいいの?
ここではあくまでテスト注文の為の商品登録だから、紹介分の書き方や画像の撮影のポイントなんかは後で説明するよ
テスト注文を行うことでユーザーの導線に問題がないか最終的なチェックができます。
データ処理にエラーがないか、配送会社との連携がきちんとできているかなどを確認しておきましょう。
ネットショップの仕入先・商品ジャンル選び
事業計画が出来たら、次は商品の仕入をどうするかの検討に入ります。
仕入方法はいろいろとありますが、簡単なものから難易度の高いものまであります。難易度の高い方法の方が、当然競合は少なくなります。
まずは商品ジャンルの選び方から紹介します。
物販ジャンルの選び方
今回紹介された物販ジャンルは初心者にもおすすめであり、どのジャンルを選んでも一定の利益が期待できる可能性があります。
ただし、個人によって向き不向きがありますので、自分に合ったジャンルを選ぶことが重要です。
自分の趣味や興味関心に合ったジャンルであれば、より熱心に取り組むことができ、商品知識や市場動向についてもより深く理解できるでしょう。
また、自分のライフスタイルに合ったジャンルであれば、時間や労力を効率的に使うことができ、仕入れや販売活動を続けることができます。
それぞれのジャンルにおいて、どのような商品がどのような需要を持っているかを把握し、市場動向に敏感に対応することも大切です。
最終的には、自分に合ったジャンルで、適切なリスク管理をしながら、利益を得ることができるでしょう。
好きなジャンルを選ぶ
どの物販ジャンルがいいか迷ったら、好きなジャンルを選びましょう。
理由は、物販で利益を出すには継続が最も重要だからです。
自分が興味のあるジャンルや、いつも自分が購入しているジャンルであれば、商品知識があるため物販に活かすことができます。
ジャンルによっては、人気のある商品の見極めが必要ですが、好きなジャンルなら自然と情報を入手しているはずです。
回転率が高いジャンルを選ぶ
物販のジャンルは、自分が好きなものや得意な分野を選ぶことが重要ですが、それだけでは十分ではありません。
商品が売れなければ、利益を上げることができず、モチベーションも続かないため、回転率が高いジャンルを選ぶ必要があります。
回転率とは、在庫をどの程度早く売り切ることができるかを示す指標で、売上高を在庫数で割ることで算出できます。
高回転率のジャンルは、在庫を少なく抑えながら効率的に商品を売り上げることができるため、リスクを低減できます。
利益率が高いジャンルを選ぶ
一方、利益率は、仕入れた商品をいくらで販売するかによって決まります。
単純に仕入れ額を利益額で割って計算することができます。
ただし、小売りの平均利益率は27.6%であることを考えると、25〜30%の利益率を目指すのが一般的です。
利益率が高いほど、商品単価が高い場合が多いため、初めて物販を始める人には敷居が高いかもしれません。
しかし、利益率の高いジャンルを選ぶことで、高利益を得られる可能性があります。
つまり、自分の得意分野や好きなものを選ぶだけでなく、回転率と利益率を考慮して、より効率的かつ安定した利益を上げられるジャンルを選ぶことが重要です。
物販のジャンル選択の注意点
初めて物販を始めると、どのジャンルを選ぶべきか悩む人は多いでしょう。
しかし、ジャンル選びに失敗してしまうこともあります。
ジャンル選びで失敗しないためにも、次の注意点を確認する必要があります。
1つのジャンルに絞る
一つのジャンルに集中することで、商品知識を深めることができ、徐々にそのジャンルで売れる商品の傾向を掴むことができます。
物販ビジネスは競争が激しいため、効率よく利益を上げるためには、売れ筋商品を見つけることが重要です。
売れ筋商品を見つけるためには、そもそもそのジャンルに精通し、トレンドについても熟知していなければなりません。
一つのジャンルに集中することで、商品知識を深め、徐々に売れる商品のコツを掴んでいくことができます。
物販ビジネスは長期的な視野が必要であるため、あと一歩のところで諦めず、粘り強く続けることが大切です。
在庫管理スペースの管理
在庫管理にはある程度のスペースが必要です。
多くの場合、始めたての物販プレイヤーは自宅の一角を使って在庫を保管することになると思いますので、自宅内にスペースを確保する必要があります。
在庫はあくまで商品であるため、匂いや日焼け、湿気などにも気をつけて保管する必要があります。
あまりに大きい商品ジャンルを選んでしまうと、管理コストも配送料もかさんでしまうため、特に始めたてのころはサイズが小さいもしくは薄い商品を選ぶのがコツといえます。
物販商品の具体的な仕入れ先
ジャンルを決めたら、具体的にどこで商品を仕入れたらいいかについてお話していきます。
オンライン問屋から仕入れる
オンラインの問屋では個人で仕入れることができる業者が数多くいるので、そちらを利用して仕入れる方法です。
主な業者は以下。
- SUPER DELIVERY(スーパーデリバリー)
- TopSeller(トップセラー)
- NETSEA(ネッシー)
- -TEN TO TEN (テントテン)
オンライン仕入の最大のメリットは買付の場所と重量を選ばないことでしょう。実店舗の仕入れだと車はほぼ必須、店舗の距離が離れすぎていると燃料費がかかりすぎるなど懸念点がたくさんあります。
コストコ
実店舗からの仕入れで意外と穴場なのに重宝するのが「コストコ」です。
コストコ…?ってあの?
コストコは実は小売店じゃなくて卸売店なんだよね
コストコは卸売店なので、領収書だけでなく請求書も発行してくれますので仕入れ額が大きい場合にも、証拠書類という点で不安がありません。
OEMを利用する
OEMとは自社商品を作って販売することです。
一般的にはOEMを請け負う専門の業者に依頼して商品の制作を行います。未経験者がいきなり挑戦するのは少しハードルが高いですが、本業が製品開発でそもそもノウハウやツテがあるという方には向いている業態です。
オリジナル商品であれば競合ショップも存在しないので、利益率は高くとることができます。
ドロップシッピングを利用する
ドロップシッピングとは、販売商品の在庫を保管することなく商品が売れたらメーカーに連絡をし、メーカーから直接商品を購入者に発送してもらう方法です。
専用サイトに登録することで簡単に始めることができます。
めっちゃええやんこれ
手間がかからない、簡単なものは競合が多い、の典型だねこれは
メーカーから直接仕入れることができるような上級者は別ですが、専用サイトを経由してドロップシッピングをしようとすると競合がみんなそのサイトから仕入れをする為、商品、価格がかなりの確率で被ります。
利益が取れない、そもそも売れないという状況が起こりやすいデメリットがあります。
ハンドメイド
ハンドメイドなどが得意な人にはオススメの方法です。ただし、生産量がどうしても少なくなるので、月額固定費が高いモール型ネットショップには向きません。
ハンドメイドが得意な方はまずメルカリやminneなどで固定客をつけ、固定客ができたらASP型ネットショップを開設するという流れが一般的です。
せどり
せどりとは、本屋や量販店などでセール品を仕入れてきて適正価格で売る方法です。
実店舗だけでなくオンライン上のショップで仕入れる電脳せどりなどの方法もあります。家電など単価が高い商品を扱うことが多い。
特に電脳せどりの場合には、買ってすぐ売っても他とまったく差がつかないので、買う時期と売る時期がズレることが多いです。
その間の在庫の保管リスクが上がる傾向にあります。ただし、特別な知識が必要ないのでせどり自体は初心者向けの仕入れ方法と言えます。
せどりについて詳しく解説した記事もありますので興味のある方はこちらもどうぞ!
海外輸入
海外から仕入れて売るという選択肢もあります。同じジャンルの商品でも地域によって単価が全然違うというケースは珍しくありません。
特にアメリカ(米国Amazon等)や中国(アリババ、ebay等)から仕入れて売るという業態をとっているネットショップは既に数多くあります。
中国から仕入れて売る場合は、一般的に中国の輸入代行業者を利用する必要がありますので少し未経験者にはハードルが高いかもしれません。
必要な届出、販売許可を申請する
ネットショップの「開業」に特別な資格は必要ありませんが、取り扱う商品によっては保健所や警察、税務署などへの事前の届出が必要です。
取り扱うにあたって届出が必要な商品
届出が必要な商品の一例は以下の通りです。
- 中古品販売
- 食品販売
- 酒類販売
- 化粧品販売
中古品販売 ー古物商許可証
中古品を販売する場合には「古物営業法」に従って「古物商許可証」の取得が必要です。
ここで言う中古品は「他の誰かに一度でも売買された物、もしくは売買目的で購入された物」を言います。
パッケージを開けてなくても誰かに売ったら中古品だよ
- 届出先
-
警察の生活安全課
- 交付までの期間
-
40日前後
- 手数料
-
19,000円
食品販売 ー営業許可
食品を販売する場合は「食品衛生法」に従って、「営業許可」の取得が必要です。
取得するには食品を作る場所、保管する場所それぞれの衛生問題がクリアになっている必要があります。
販売する食品の種類によっては「食品衛生責任者」の資格が必要だったり複雑だから、まずは保健所に相談しに行こう
- 届出先
-
所轄の保健所
- 交付までの期間
-
2~3週間前後
- 手数料
-
4,000円~25,000円程
酒類販売 ー通信販売酒類小売業免許
酒類を販売する場合は「酒税法」に従って、「通信販売酒類小売業免許」の取得が必要です。
また、ネットショップで扱える酒類には一定の制限があります。ざっくり言うと「地酒」と「輸入酒」のみです。
また「地酒」を販売する場合は、蔵元の「課税移出高証明書」の提出が必要になります。
ヤフオクでたまたま一回売った、みたいな継続的に販売しない場合は必要ないよ
- 届出先
-
所轄の税務署
- 交付までの期間
-
2~3週間前後
- 手数料
-
4,000円~25,000円程
化粧品販売 ー化粧品製造販売業許可
化粧品を販売する場合は「医薬品医療機器等法」に従って、「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」の取得が必要です。
ただし例外的に、国産の商品を表示や内容を変えずに販売する場合には必要ありません。
海外から輸入したり自分で化粧品を作る場合は必要ってことか
輸入の場合は許可後も製品販売届出書、化粧品外国届出書、輸入届出の提出も必要だね
化粧品販売については、必要なライセンスを取得する難易度自体がかなり高く、基本的に自分一人で行うのは難しいです。
化粧品作ってネットで売りたい!といった場合には、化粧品をあなたに代わって製造してくれるOEM企業と連携して進めていくのが現実的でしょう。
- 届出先
-
所轄の保健所
- 交付までの期間
-
都道府県によって異なる
- 手数料
-
都道府県によって異なる
4つ並べて紹介してきましたが、例えば古物商許可証と化粧品製造業許可では取得の難易度が天と地ほどの違います。
ネットショップ未経験の方が自分で許可を得ながら開業準備も行うとなれば必ず時間の制約が出てくるはずなので、もし「どうしても化粧品の輸入販売がしたい!」という場合は代行業者への依頼も検討しましょう。
特定商取引法に基づく表記
ネットショップでの商品販売は、取り扱う商品に関わらず「特定商取引法」が適用されます。
必ずサイト内に特定商取引法に基づく表示(必要的記載事項)を記載しなければなりません。
- 販売業者名
- 所在地
- 電話番号
- メールアドレス
- 運営統括責任者名
- 商品代金以外の必要料金
- 商品の引き渡し時期
- 支払期限
- 有効申込期限
- 返品に関する事項(期限、送料)
- 資格(古物商許可証など)
消費者庁の特定商取引法ガイドには一度目を通しておくことをおすすめします。
バーチャルオフィスの利用を検討
個人の副業では、「本業の会社にバレたくない」という問題は起きがちです。
特定商取引法においては原則「住所・氏名」は公表する必要がありますので、他人にバレるリスクは存在してしまいます。
そういう時は、バーチャルオフィスの利用を検討するのが良いでしょう。
仮想の事業所として、会社の住所や電話番号の貸し出しや郵便物の受け取りをしてくれるサービス。
バーチャルオフィスには有料オプションがあるところもあり、以下のようなサービスを備えているところもあります。
- 法人登記の代行サービス
- 秘書業務の代行サービス
お金はかかるけど不要なリスクは回避できるね
もちろんもっとお金を出してもいいならレンタルオフィスを借りてもいいけどね
ネットショップの開業準備
ここからは、実際にネットショップ開業に向けた準備が全て終わった後の「開業時の必需品」と「行政手続き」にまつわるお話です。
なんだか難しそう
順序通り進めれば難しいことはないよ
開業時の行政手続きはそこまで複雑なものではありませんが、忘れると取り返しがつかないものもあるのであらかじめ確認しておきましょう。
大きく分けて「事業に必要なモノの準備」と「行政手続き」の2つに分けて紹介します。
開業までに準備しておくモノ
- 事業用銀行口座
- 帳簿書類
- マイナンバーカード
詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
「個人事業主」になるための行政手続き
開業時に必ずやっておくべき3つの行政手続きについて紹介します。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
- 社会保険
詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
ネットショップ開業後の運用
ネットショップ開業の準備が全て終わった後は、いよいよ実際のビジネスの段階に入ります。
ネットショップ事業のキモである「仕入のポイント」と「商品紹介コンテンツ」、そして「集客」についてお話ししていきます。
商品のリサーチ
ネットショップは端的に言えば、仕入れ値より高く売れる商品を仕入れて売る業態です。
ですので、そもそも商品の需要が無くて売れない、仕入れ値が高くて利益が出ないという状態では商売になりません。
究極的に言えば、「仕入れ値と売価の差が大きくて売れる商品だけ仕入れる」が最強の販売方法です。
つまり、仕入れる前には必ず「商品のリサーチ」が必要になってきます。
ぼくが好きな商品をそのまま売ろうと思ってた
ではどのように利益商品をリサーチしたら良いかというお話ですが、具体的には2種類の視点から分析します。
- 販売数
- 競合数
販売数
商品の需要を見極めるには、実際の市場を見るのが一番早く確実です。
モール型ショッピングサイト内には売れ筋ランキングが公表されていますし、それ以外にも例えばAmazonであれば「Keepa」などの外部ツールを利用すれば期間別の商品の販売数分析などが可能です。
競合数
自分が取り扱いたい商品をどれくらいの競合ショップが出品しているか、というリサーチも重要です。
当然競合は少ないに越したことはありませんが、競合が少ない=需要がない可能性もありますので、「販売数」と掛け合わせて分析しましょう。
こちらも同じくAmazon内であれば「Keepa」というツールを使えば把握できますが、競合数は有料版でなければ見ることはできません。
Amazon以外のサイトだと目視になるのか…
まあモール型サイト内の「出品数」を見たらある程度はわかるね
上記を参照していただいて、「販売数」、「競合数」と「仕入れ値と売価の差」、全てを掛け合わせて仕入れする商品をリサーチしていきましょう。
商品紹介コンテンツの作成
リサーチして仕入れる商品を決めたら、今度は商品を売らなければなりません。
売る為のコツは、商品を上手くプレゼンすることです。ここでは商品紹介コンテンツについてポイントを解説してきます。
商品紹介コンテンツは大きく分けて「商品画像」と「商品紹介文」で成り立ちます。作成時の注意点を紹介します。
商品画像の注意点
商品画像は当たり前ですが商品の魅力が伝わるように撮らなければなりません。以下の項目は最低限チェックしてください。
- 画像の解像度
-
専用のカメラを使うのが一番ですが、ない場合はiPhoneなどでも可
- 画像サイズ
-
画像サイズは一定のサイズに合わせる
- 明るさ
-
自然光でもいいですが、商品によっては専用のライトで
- 構図
-
商品の特徴がわかるように”寄り”、”引き”の画像は最低限準備する
- 背景
-
白バックしかダメということはありませんが、周りがごちゃごちゃしないように
商品紹介文の注意点
商品の魅力が伝わるテキストは画像と同様に重要です。また、実際の「数字」は画像では表現できませんので、顧客が知りたいであろう情報が漏れないように注意しましょう。以下の項目については最低限チェック。
- 文量
-
規定の文字数などはないが、少ない文量で魅力を伝えるのは至難の業
- 基礎情報
-
商品の材質、サイズ、製造元など具体的な数字を使って紹介する
- ターゲット属性
-
ショップのターゲットに向けた文体を意識する
- メリットデメリット
-
商品を使うことで得られるメリットと、併せてデメリットもきちんと書く
- 表現方法
-
機械的よりは感情に響くような表現を使う
感情に響くようなってどういうもの…
食レポをイメージするといいかも。「おいしい」を表現するのに「なめらかな口当たり」とか「薫り高い」とか付随する情報を言うでしょ?
商品の画像や説明文のデータは事前にCSVデータなどに整理しておくと、スムーズに登録できて良いと思います。
販売価格の決め方
商品の販売価格は、画像や紹介文と同等かそれ以上に重要な部分と言えます。
しかし残念ながら絶対的な正解はありません。それでも、基準となる考え方は主に二つあります。
それぞれ商品ジャンルによって向いている決め方がありますので、併せて紹介します。
- 自分主体の決め方
- 顧客主体の決め方
シンプル!
自分主体の決め方
商品の原価率や利益率などから逆算して販売価格を決める方法です。
原価率とは、ざっくり言うと商品の材料費と考えてかまいせん。
または、仕入れた商品ならば仕入れ値から逆算する方法です。「経費がこれくらいかかったので利益○○%載せて売る」という決め方です。
- 自分がハンドメイドで作った商品
- 希少度が高く、販売数が少ない商品
顧客主体の決め方
顧客主体の決め方とは要するに、市場の価格に合わせた価格ということでこちらの方がどちらかと言えば一般的です。
市場価格に沿って販売価格を決めるので需要がないということはありませんが、価格競争に巻き込まれるので利益率は低い傾向にあります。
- 上記以外のほとんどの商品ジャンル
未経験者の方が1からショップを始める場合は基本的にこっちだね。
さっきの「商品のリサーチ」とも関連する話だね
ネットショップへの集客
モール型ネットショップの場合、市場が既に形成されていますので、商品ジャンルにもよりますが集客は既にできています。
反対にASP型のネットショップの場合は、完全に一から集客をしなければなりません。
集客手段も様々ですが特に「SNS」、「SEO」の利用は必須と言えるでしょう。
SNSを利用したネットショップへの集客
いまや実店舗に限らず、ネットショップ専用のアカウント作成は常識になりつつあります。
ショップの宣伝、お客様との交流などメリットしかなく作成料は無料なので必ずSNSアカウントは新規で作成しておきましょう。
特にネットショップと親和性の高いSNSはInstagramでしょう。
利用者層が若く、利用者層と想定しているターゲットが合っていなければいけませんが、写真や動画の投稿が当たり前なので宣伝や紹介がしやすいSNSです。
Twitterは国内で最も利用者の多いSNSですが、宣伝ばかりのアカウントはあまり好まれません。
お客様とのコミュニケーションが上手な方は導入を検討してもよいかもしれません。
SEO対策によるネットショップへの集客
SEO対策とは検索エンジン上のサイトの評価を上げることを言います。
とは言っても商品紹介ページが検索エンジン上の上位を取ると言うのはかなり難しいので、あなたの商品ジャンルに関連したブログを書くことでまずはサイトに来てもらい、サイト内のネットショップを利用してもらうという導線になります。
ブログの内容は「ターゲット」が買い物を迷うときに検索しそうなキーワードを想像して、そのキーワードをテーマに書いていきます。
商品名や商品ジャンルの使い方や使い心地、評価、比較などのテーマが一般的でしょう。
ネットショップについてよくある質問
この記事に関してよくある質問をいくつか紹介します
ネットショップの開業方法まとめ
ここまでネットショップを選択する理由、ネットショップの開業の仕方、運用の仕方について1から100まで解説してきました。
- ネットショップは市場規模も拡大の一途にある有望な副業ジャンルである
- ネットショップを始めるには、事業計画を立て、ショップ形態と仕入先を選び、必要な届出を確認する
- ネットショップの開業に最低限必要なモノは、銀行口座と帳簿書類
- ネットショップのキモは商品のリサーチと商品紹介コンテンツ
- ネットショップの集客にはSEO対策とSNSを利用する
この先も市場はどんどん拡大していくことが予想できますし、個人商店の副業プレーヤーもどんどん増えていくでしょう。
ネットショップをはじめとした物販業は、最初のハードルは高く感じるかもしれませんが、一度”形”さえ作ってしまえば特別な能力も必要なく、再現性の高い副業と言えます。
是非この記事を参考にしてチャレンジしてみましょう!
最初のハードルが高いってことはライバルはそれほど多くないってことだからね
ライバルが増えるまえにはじめてみようかな!